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» 2015年01月13日 12時00分 UPDATE

補助金:エネルギー対策に3515億円の補正予算、再エネ接続保留の緊急対応に809億円

政府は2014年度の補正予算でエネルギー対策に3515億円を投入する。前年度の930億円から大幅に増やして、最優先の課題として取り組む。特に大きな予算を割り当てる分野は2つ。地域の工場や店舗に省エネ機器を導入する補助金と、再生可能エネルギーの接続保留に関する緊急対策である。

[石田雅也,スマートジャパン]

 2014年度の補正予算案が1月9日の閣議で決まり、経済産業省は前年から20%増の6605億円を確保した(2013年度は5511億円)。このうち半分以上の3515億円をエネルギー対策に割り当てる。特に重点を置くのは中小企業の省エネ対策と地方の再生可能エネルギー導入である。

 省エネ対策が遅れている中小企業を主な対象に、930億円を投じて補助金を開始する(図1)。工場や店舗でエネルギー消費量が多い空調・照明設備をはじめ、工業炉や冷凍・冷蔵設備に高効率の最新機器を導入しやすくして設備投資を促す考えだ。電気料金の値上げによるコスト増加を抑制する狙いもある。中小企業がエネルギー管理まで実施した場合には費用の3分の2まで補助を受けることができる。

hosei1_sj.jpg 図1 「地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金」の適用対象イメージ。出典:経済産業省

 次いで再生可能エネルギーの接続保留問題の緊急対策に809億円を投入する。太陽光発電の導入量が急増したことを受けて、九州電力などが昨年の秋から発電設備の接続を保留する事態になり、再生可能エネルギーの拡大に懸念が広がってしまった。遅まきながら政府は3つの対策を柱に解決に取り組む。

 第1の対策は電力会社の給電指令所から遠隔にある再生可能エネルギーの発電設備の出力を制御する方法である。ヨーロッパの先進国では地域ごとの需要に基づく制御技術が確立されていて、日本でも早急にシステムを開発して導入する必要がある。このほかに第2の対策として蓄電池の活用、第3に被災3県(岩手・宮城・福島)の発電・送電設備の拡充も推進する(図2)。

hosei2_sj.jpg 図2 再生可能エネルギーの接続保留への緊急対応で実施する事業。出典:経済産業省

 このうち蓄電池は太陽光や風力の出力変動を調整できる有効な技術だが、現状では設置コストが高いために導入が進んでいない。補正予算の中で65億円を使って蓄電池のコスト低下にも取り組む。これまで夜間などに生じる余剰電力は揚水発電で調整してきた。揚水発電所の設置コストは電力1kWhあたり2万3000円程度と低いことから、蓄電池でも同等の設置コストを2020年に実現させる方針だ。

 再生可能エネルギーの拡大に向けては、地産地消型のシステムも78億円の補助金で推進する。地域に点在する熱エネルギーの活用を含めて先進的なプロジェクトに補助金を交付する予定で、発電設備や熱利用設備、蓄電・蓄熱設備などが対象になる(図3)。自治体と連携したプロジェクトには導入費用の3分の2まで、民間主導の場合は2分の1まで補助する。

hosei3_sj.jpg 図3 「地産地消型再生可能エネルギー面的利用促進等推進事業費補助金」の適用対象イメージ。出典:経済産業省

 さらに新しい補助金を追加して、民間企業が自家消費用に再生可能エネルギーを導入できるように促していく。売電を目的にした固定価格買取制度の適用を受けない発電設備が対象で、200カ所以上の導入を目指す。自治体が導入する場合には費用の2分の1まで、民間企業には3分の1まで補助する。民間企業でも蓄電池を併設して地域の防災拠点になる場合には2分の1まで補助金を受けることが可能だ。

 自動車のエネルギー対策にも約500億円の予算を投入する。燃料電池車や電気自動車などの「クリーンエネルギー自動車」の補助金に100億円、水素ステーションの整備に96億円、充電インフラの整備に300億円を割り当てる。

 省エネ関連では2012年度から継続している住宅やビルの「ネット・ゼロ・エネルギー」を支援する補助金に150億円を追加するほか、定置用リチウムイオン蓄電池に130億円、家庭用の燃料電池「エネファーム」の導入支援に220億円の予算を投入する。

続報:「2015年度のエネルギー関連予算は実質11%増、補正予算と合わせて1兆円を超える」

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