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» 2015年04月03日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:再生可能エネルギーの投資額、2014年に世界で17%増加

過去2年間は減少を続けていた再生可能エネルギーに対する世界全体の投資額が2014年に再び増加に転じた。年間の投資額は2700億ドル(約32兆円)にのぼり、前年から17%の高い伸び率になった。国別では中国、米国、日本の順に多く、種別に見ると太陽光と風力で全体の9割以上を占める。

[石田雅也,スマートジャパン]

 UNEP(United Nations Environment Programme、国連環境計画)が中心になって、全世界の再生可能エネルギーの投資額を毎年まとめて発表している。最新のレポートによると、2014年の投資額は2700億ドル(約32兆円、1ドル=120円で換算)に達した。3年ぶりの増加で、過去最高の2011年に次ぐ2番目の規模である(図1)。

unep3_sj.jpg 図1 世界の再生可能エネルギーの投資額と成長率(大規模な水力発電を除く。企業や政府などによる投資種別で分類。単位:10億ドル、各年の投資額を直近の為替レートで計算)。出典:UNEP、Bloomberg New Energy Finance

 前年比で17%も伸びた要因として、中国と日本で太陽光発電の導入量が急増した点を挙げている。両国だけで太陽光発電の投資額は749億ドル(約9兆円)にのぼった。このほかにヨーロッパで洋上風力の投資額が186億ドル(約2.2兆円)に拡大したことも要因の1つだ。

 国別では中国が第1位で、投資額は833億ドル(約10兆円)である。2013年から39%も伸びている。第2位の米国は7%増の383億ドル(約4.6兆円)にとどまり、投資額で中国と2倍以上の差がついた。続く第3位は日本の357億ドル(約4.3兆円)だが、成長率は10%で中国を大きく下回っている。

 再生可能エネルギーの種別に見た投資額では、太陽光が1500億ドル(約18兆円)で全体の半分強を占めた(図2)。2013年と比べて25%も伸びている。次いで風力が990億ドル(約12兆円)で、前年から11%増加した。そのほかのバイオマスや小水力、地熱や海洋エネルギーは圧倒的に少なく、現在のところ太陽光と風力が世界の再生可能エネルギーの主流になっている。

unep1_sj.jpg 図2 再生可能エネルギーの種別の投資額と成長率(単位:10億ドル。上から順に、太陽光、風力、バイオマス+廃棄物、バイオ燃料、小水力、地熱、海洋)。出典:UNEP、Bloomberg New Energy Finance

 投資額の増加に伴って、発電設備の規模でも太陽光と風力の拡大は著しい。両方を合わせた新設の発電設備は2013年の7400万kWから2014年には9500万kWに増加した。投資額を大きく上回る28%の成長率で、建設費の低下を示している。ただし運転維持費などを合わせた発電全体にかかるコストは種類によって差が大きい。

 1000kWhの電力を作るのに必要な発電コストを計算すると、2009年の時点では太陽光が風力の2倍前後も高かった(図3)。しかし太陽光の発電コストが年々低下するのに対して、風力は横ばいか上昇する傾向にある。特に洋上風力の発電コストが2011年から高くなって太陽光を上回っている。水深の深い海域のプロジェクトが増加したためだが、2015年に入って発電コストは下がり始めている。

unep2_sj.jpg 図3 太陽光と風力の発電コスト(単位:ドル/1000kWh。2009年第3四半期の数値が上から順に、太陽光/シリコン系、同/追尾型、同/薄膜系、風力/洋上、風力/陸上)。出典:Bloomberg New Energy Finance

 2015年の最大の焦点は石油価格の下落による投資への影響だが、発電コストの低下が続く限り、太陽光と風力の投資額は増える見通しだ。このほかに懸念点として挙げられているのは、米国と英国のエネルギー政策が不確かなことや、日本と米国の一部の州に見られる太陽光発電設備の接続問題である。日本で始まった接続保留の影響は世界の投資動向にも波及しかねない。

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