ニュース
» 2015年09月28日 11時00分 UPDATE

省エネ機器:超電導×直流給電で太陽光発電の電力を無駄なくお届け、石狩のデータセンターへ

石狩超電導・直流送電システム技術研究組合は、太陽光発電所からデータセンターへ「超電導直流送電」を開始したと発表した。直流給電により交流への変換ロスを抑えたことに加え、超電導により送電ロスがないため、太陽光発電の電力を無駄なく活用できる。

[三島一孝,スマートジャパン]

 石狩超電導・直流送電システム技術研究組合は、超電導直流送電とその関連技術に関する試験研究を共同で行うため、千代田化工建設、住友電気工業、中部大学、さくらインターネットにより2014年1月に設立された非営利共益法人である。今回の実証事業は経済産業省の「高温超電導技術を用いた高効率送電システムの実証事業」を受託したものだ。

 「超電導」は金属や金属酸化物などを低温にしたときに電気抵抗がゼロになる現象のことだ。この電気抵抗がゼロになるということを生かし、電力ロスのない送電を実現するのが「超電導送電」である。超電導は以前は極低温(−269度)が必要で液体ヘリウムが必要となっていたが、現在では液体窒素(−196度)で実現可能な「高温超電導」が可能となっている。今回の実証事業ではこの高温超電導を活用している。

 具体的には、さくらインターネットの石狩太陽光発電所から石狩データセンターへの送電を「超電導直流送電」で行う。石狩太陽光発電所から石狩データセンターの間に500メートルの超電導ケーブルを敷設して送電する。既に2015年8月には500メートルの超電導送電試験に成功したと発表(関連記事)しており、配管構造の工夫により公道の下に埋設した超電導ケーブルでも送電路の熱損失や液体窒素循環の損失を実用レベルに抑えることに成功している(図1)。

photo 図1 地下に埋設した超電導ケーブルで500メートルの距離の超電導送電を行う 出典:石狩超電導・直流送電システム技術研究組合

直流給電も活用し太陽光発電を無駄なく活用

 超電導送電に加えて、今回の実証事業では直流給電も組み合わせて行う。太陽光発電などで生み出される電力は、直流電力だが通常は交流電力で送配電が行われるため、交流電力への変換ロスが生じる(関連記事)。しかし、直流のまま送配電することが可能であれば、無駄なく電力を活用することが可能だ。今回は出力200kWの太陽光発電所から直流で送電し、データセンター内もサーバに直接直流で給電する。そのため送配電効率を大きく向上させることが可能になる(図2)。

photo 図2 実証事業の概要。超電導送電に直流給電を加えることで送配電ロスを大幅に低減することが可能となる 出典:石狩超電導・直流送電システム技術研究組合

 同組合では、今回の実証事業により超電導送電システムの通電安定性を検証し、将来の実用化のための課題の抽出を行っていくとしている。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.