新素材でモーターや圧縮機を3%省エネ化、エアコンなどに採用へ省エネ機器(1/4 ページ)

パナソニック 生産技術本部は、東北大学が開発した新ナノ結晶合金「NANOMET」を用いた家電用モーターの実用化に向け、省エネルギ―性の実証に成功した。

» 2016年02月26日 11時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 世界全体の電力使用量を機器ごとに見た場合、最も電力が使用されているのは何かご存じだろうか。答えはモーターである。世界の用途別消費電力量を見ると、照明や家電品、熱変換機器などを抑えてモーターが最も多くの電力を消費しているという(図1)。その比率は全体の46%を占めており、モーターの省エネ化が消費電力量抑制に大きな役割を果たすことになる(図1)。

photo 図1 世界の用途別消費電力量(出典:MOTOR SUMMIT 2014)

東北大学の革新材料とパナソニックのモノづくり力

photo パナソニック生産技術本部 本部長 兼 生産技術開発センター長の井上博之氏

 ただ、モーターそのものの省エネ化を実現するには、材料技術が必須となる。そこでパナソニック 生産技術本部では、東北大学「東北発 素材技術先導プロジェクト」(文部科学省)の超低損失磁心材料技術領域(研究代表者 東北大学 牧野彰宏教授)と協力し、同プロジェクトが開発した新ナノ結晶合金「NANOMET」を活用した家電用モーターおよびコンプレッサーの実用化に向け、2013年12月から共同研究を開始した。

 パナソニック生産技術本部 本部長 兼 生産技術開発センター長の井上博之氏は「東北大学が開発した革新的材料とパナソニックのモノづくり技術を組み合わせることで、量産化を実現し、超省エネ商品を社会に提供することを目指す」と述べている。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.