家庭の総合ソリューションに勝機見いだすシャープ、ZEHに期待変転する太陽光発電市場(2)(2/2 ページ)

» 2016年07月06日 07時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]
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ZEH時代に持つ高効率の強み

 ZEHとは、家庭での使用エネルギーよりも創出エネルギーの方が上回るような家屋のことを指し、政府では2020年までに標準的な新築住宅でZEHを実現することを目指している。既にハウスメーカーなどでは提案を進めているが、ZEHを実現するために創エネ・省エネ・畜エネ性能に優れた製品を家庭で組み合わせていくことが必要だ。

 創エネ面では、家庭での使用量を賄う発電量を実現しないといけないため、発電量の最大化が求められる。モジュールの高効率化とともに屋根に多くの量を載せる必要がある。これらに対し「住宅向け太陽電池『BLACKSOLAR』シリーズ新製品ではこれらのニーズに対応するため、モジュール変換効率を19.1%から19.6%に高めた他、太陽電池セルの数も従来の42個のから48個に増やして大型化を図ることで、最大出力も256W(ワット)に高めた」(桃井氏)。

photo 図2 シャープの住宅向け太陽光パネル「BLACKSOLAR」シリーズ新製品。モジュール変換効率を19.6%に高めた他、太陽電池セルの数も従来の42個のから48個に増やし最大出力も256Wに

「家」を握る強みを生かす

 今後は、分散型電源が増え、蓄電池の設置が広がれば、電気を家庭で作って家庭で消費するという「自家消費」型の環境が生まれてくる。ZEHを軸としソーラーだけでなくクラウド蓄電池やHEMSなどのソリューションが求められる中、シャープではこれらの製品群を全て抱える強みを持つ。桃井氏は「さらに、当社は長く家電を展開してきて家を知っていることも強みだ。家を中心とした創エネ、蓄エネに加え、既存の家電製品で使う部分の省エネなどにも貢献する家庭のトータルソリューションで強みを発揮していく」とシャープの特徴について述べている(図3)。

photo 図3 シャープが提案する家庭のトータルエネルギーソリューションの様子

連載:「変転する太陽光発電市場

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