こうして3つの課題への解決策を示し、GitHub Copilotの全社導入を実現させたZOZO。全社導入から約8カ月後の1月に、社内アンケートを取ったところ、利用者の89.4%が「GitHub Copilotを使用することでより生産的になった」と回答。具体的には、76.2%の人が「作業時間を15分以上節約できた」と回答した。
特に反復作業をより迅速に行えるようになったという声が多く、89.5%がそのように答えたという。他にも「より早くタスクを完了できた」や「検索にかかる時間が短縮できた」などの声も多かった。
また、精神的な負担やコーディング時のイライラの軽減や仕事の充実感の向上などの効果も見られ「より満足度の高い仕事へ集中できる」との声もあったという。他にも「フロー状態(集中力がとても高まった状態)に入りやすい」との回答が41.7%あり、同社は「開発者の『満足度と幸福度』『効率とフロー』に、GitHub Copilotが良い影響を与えている」と結論付けた。
一方、全社導入したことで見えてきた課題もあるという。ZOZOはこれについて「GitHub Copilotの効果を向上させるには『習熟』が必要であると分かった」と説明する。
社内のとある部署では、部内組織を横断したGitHub Copilotの勉強会を開催し知見の共有を継続的に行ってきたという。社内アンケートでは、これらの部署ではGitHub Copiloitによる効果が高く出ていた。
このことから「より効果的にGitHub Copilotを活用にするには、一部の部署だけではなく、全社的に活用方法の知見を共有し、その活用方法に習熟していくのが重要だと考えている」とZOZOはまとめている。
同社や同グループでは、GitHub Copilot以外の生成AIツールについても積極的に利用していく方針という。ZOZOグループで新規事業の創出などを手掛けるZOZO NEXT(千葉市)では、運営するニュースメディア「FASHION TECH NEWS」英語版の翻訳作業に、GPT-4を取り入れている。
他にも、AIアシスタント「Microsoft Copilot」を使える環境を整備しており、生成AIの業務活用プロジェクトを推進している部署もあるという。「当社の業務の中で生成AIを活用できる業務や範囲などを検討・検証していく」(ZOZO)
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