──今回の画像生成AI導入について、今後目指すビジョンを教えてください
菅井さん:まず足元での使い方についていえば、(AIを活用した成果物を)最終的に外に出すとき、コロプラとしてクオリティーを担保できている状態を、どんな工程でも保っていこうとしています。
Stability AIとの取り組みで模索していきたいのは、今まで作ってきた資産をどう昇華させて、次につなげていくかという点です。
AIを知らなければ、どうやって活用すればいいかも分からない。自分たちが権利を持っている、ライセンスを持っているものをうまく使おうとしても、その知見がないと思い、今回の取り組みに至りました。
──「今まで作ってきた資産を昇華させる」という点についてさらにお伺いさせてください。例えば自社の資産を学習させたAIを作る、ということも可能と思うのですが、自社用モデルを作る、あるいはLoRA(AI生成する画像を特定の作風に寄せる技術)などでモデルのカスタマイズが可能な体制を作るといった取り組みも検討しているのでしょうか
菅井さん:恐らくはやらないといけないと考えています。例えば、いわゆる「ベースモデル」が一般的な画像を出力するものだとしたとき、個社の特徴をどのように出していくのか、という点に取り組んでいかなくてはならなくなります。
アイデア出しの例でいえば、恐らくは一般的な絵の発想はすでに得られています。しかし、出力できるものを、よりコロプラらしいものに近づけることができれば、アイデア出しもさらに加速するのではと。
──例えばベースモデルを一から作るとなると、計算資源の確保なども必要になるかもしれないと思いますが、そこまで手を広げる可能性は
菅井さん:そこまで手を出すつもりはありません。OpenAI、Googleなど、巨大な資本を持つ会社もいるので、われわれは手段・ツールとしてAIを活用し、世の中にコンテンツを届けていきたいと思っています。その“こなれ度”が上がっていく形になるのではと。
──LoRAやファインチューニングなどによるカスタマイズの段階まで、という具合ですね
菅井さん:それができれば、アイデア出しのところもステップが進むと思っています。
野田クリスタル&「もじぴったん」生みの親に聞く“ゲーム作りと生成AI” クリエイターとしてどう向き合う?
プレイヤーの言葉を理解し、協力プレイもできるゲームキャラを生み出す技術 「PUBG」開発会社が導入へ
社内AIチャットが「ウマ娘」のスぺちゃん口調──Cygamesの生成AI活用法 「AIには“プランB”を学習させるべき」
“AIキャラクターによるゲーム実況”の裏側 バンダイナムコ研究所が解説 AI生成コンテンツの“5つの落とし穴”とは
AIアニメスタートアップが1.1億円調達、アニメスタジオを子会社化Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.