マスクド・アナライズの「AIしてま~す!」
米IT企業で続く大規模リストラ 「その原因は生成AI」は本当か? 人員整理の理由を探る(3/3 ページ)
とはいえ、生成AIに限らず、自発的に学ぶことは大切です。そこで生成AIを習得して、業務改善を行うことが重要です(それでも「生成AIで生産性が10倍」などの言説は怪しいですが)。こうした改善を個人だけでなく組織全体で積み重ねて、会社の業務改善や業績向上につながれば理想的です。
このような変化と改善を実現できる社内文化を作って、無駄をなくして業績向上させれば、10年後もあなたの会社は安泰ではないでしょうか。13年に「雇用の未来」を発表したオズボーン教授も「仕事が奪われることを不安視するより、変化に適応することが重要」と解説していました。このような変化に適応する一環として、生成AIを学ぶことは有効です。
「生成AIでリストラ!」と大げさに騒がれるワケ
このような状況にもかかわらず、どうして「生成AIでリストラ!」と大げさに騒がれるでしょうか。それは「生成AIでリストラ!」が話題になれば、もうかる人がいるからです。生成AIによる怪しいセミナーや謎の教材を販売したり、安易かつ無責任に副業や転職や独立を煽る人たちの存在です。
多くの人々は生成AIについて「なんとなく知っている」というド素人です。各種アンケートなどでも「名前を知っている」という程度の人は多く、仕事で毎日利用する人は限られます。もちろんそれ自体は悪いことではありません。生成AIに限らず世間で話題になっていても、興味関心のない分野を自発的に学ぶ人は少ないものです。
しかし、この点が「生成AIを使えないとリストラされる」と主張する人にとっては好都合です。SNSや動画投稿サイトで生成AI活用方法を紹介したり、広告を出して「25年は生成AIを学ぶ最後のチャンス」と煽って、自社の無料セミナーや体験教室に誘導します。
セミナーや教室などの閉鎖環境で生成AIに詳しくないド素人に対して、リストラの不安を煽って恐怖で思考停止させます。追い打ちをかけるように「生成AIを習得すればリストラされない」「生成AIスキルを習得すれば転職で年収アップ!」「生成AI人材になって、独立や副業で稼ごう」と、有料会員(しかも高額)に誘導します。
ここで「本日入会できるのは◯人まで」「今なら入会金が半額」などと決断を迫り、その場でクレジットカードで契約させます。しかし多額の費用を払っても、宣伝のようにリストラされなかったり、副業でもうかる保証はありません。
すぐに気付いて解約しようにも、クーリングオフ(一定期間内であれば無条件で解約できる制度)の適用外であり、契約書には「最低利用期間が1年間」と記載がある(セミナーにて口頭で一瞬だけ説明)ので解約できません。結果として生成AIによるリストラではなく、不安と恐怖に駆られて高い授業料を払って、お金に困ってしまいます。
以上はあくまでも想像上の展開ですが、もしもこのような手口が実在していたら、このような生成AIのド素人である自分だけが、損をする未来が待っているかもしれません。もっとも未来がどうこう以前に、怪しい業者は生成AIで稼げなくなれば、別の商材で同じようにド素人を利用しているのでしょう。
話をまとめると「生成AIで大規模なリストラ」は現時点で考えにくいことです。将来において起きる可能性はありますが、日本の状況を考えると、他の理由の方が大きいでしょう。それよりも、怪しい人にだまされないようにする方が大事です。
とかく根拠がなく大げさな発言を繰り返す人は、自分の言動に責任を取りません。さらに過去の言動が検証されないため、手を変え品を変えて注目を集めるために派手な言動を繰り返します。もしかすると、生成AIが登場する前はプログラミングや動画編集やWeb3やNFTやブロックチェーンや仮想通貨で、同じようなことを叫んでいたかもしれません。
そもそも生成AIによって最初にリストラされてほしいのは「生成AIでリストラされる!」と叫んで注目を集める人たちではないでしょうか。
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マスクド・アナライズの「AIしてま~す!」
企業への生成AIの導入活用やDX支援を手掛ける、AIコンサルタントのマスクド・アナライズさんが“生成AIの今”を愛を持って解説していく。
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