プロジェクト管理も“タイムライン”――ポートフォリオ管理もできる「Project 2010」

ポートフォリオ管理機能を新たに搭載した、マイクロソフトのプロジェクト管理ソフト「Project 2010」。複数のガントチャートを1つの大きなタイムラインとして表示する「タイムラインビュー」機能も備えている。

[杉本吏，Business Media 誠]

　最近話題のTwitterでは、人々のツイート（つぶやき）がずらっと並ぶ部分を「タイムライン」と呼ぶが、プロジェクト管理においても「タイムライン」は有効かもしれない。

　マイクロソフトは11月9日、プロジェクト管理ソフト「Project 2010」に関する説明会を開催した。β版を11月中にリリースし、正式版は2010年前半のリリースとなる見込み。価格は未定。

　「企業内で予算削減をする場合に、どういったところから削減すればいいのか。何に投資すればいいのか。そうした予算配分ポリシーが不明確な企業が多い」（インフォメーションワーカービジネス本部の相場宏二エグゼクティブプロダクトマネージャー）

　Project 2010では、従来は別製品として提供していた「Project Portfolio Server」を、「Project Server」内の1機能として組み込んだ。

　プロジェクトの作成／選択／計画／管理というワークフローを一元化し、どのプロジェクトにどの程度の金額を投資すべきかという意思決定をサポート。「限られた予算の中で、プロジェクトごとの優先度を戦略に基づいて決定でき、実績と予実を常に管理することも可能」だという（相場氏）。このほか、Windows SharePoint Services（WSS）を通じてプロジェクトメンバー間でコラボレーションが可能な「ワークグループモード」（Professional版でのみ利用可能）なども提供する。

プロジェクトの優先度設定。企業として達成すべきドライバー（目標）の優先度を設定すると、各プロジェクトの優先度やコストを自動で算出してくれる

　操作性も改善した。同日に説明を行ったVisio 2010と同じく、リボンユーザーインタフェースを採用。基本的な操作は「Excelのセルにデータを入れていくような感覚で利用できる」という。複数のガントチャートをたたみ、1つの大きなタイムラインとして表示する「タイムラインビュー」も新たに搭載した。

プロジェクトによっては、何百や何千ものガントチャートを作成する必要がある。Project 2010では、プロジェクト全体をより俯瞰的に把握できる「タイムライン」を画面上部に表示できるようになった

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　クライアントソフトの操作性向上に加え、サーバ上でのプロジェクト管理やファイル編集機能も強化したProject 2010。マイクロソフト・インフォメーションワーカービジネス本部の吉村徹也部長は、（サーバ上で作業すれば）「例えば出張先でOfficeアプリが入っていないPCからでもファイルを編集して返せる」とし、「エンドユーザーにより優しい機能強化だ」と強調した。