「社内の“PowerPointの達人”は、フローチャートを作るのに1分30秒かかった。同じものをVisioで作ったら15秒で済んだ」――そんな話をマイクロソフトの記者説明会で聞いた。
マイクロソフトは11月9日、ビジネス向け作図ソフト「Visio 2010」に関する説明会を開催した。β版を11月中にリリースし、正式版は2010年前半のリリースとなる見込み。価格は未定。
Visioは、ビジネス文書やプレゼンテーション資料の作成時などに利用できる作図ソフト。フローチャートやオフィスレイアウト図などを手軽に作成でき、WordやExcel、PowerPointなど各Officeソフトとの連係機能も備えている。
最新版となるVisio 2010では、Office 2007から採用されたリボンユーザーインタフェースを採用した。図形の色や形の選択時に、メニューにマウスオーバーするだけで変化が反映されるなど、操作性を改善。作図にかかる工数を低減したという。
マイクロソフト社内で最もPowerPointの操作が速い社員がフローチャートを作成したところ、複数回テストしてのベストタイムは1分34秒。一方、Visioで同じ図を作成するのにかかった時間は15秒と、約6分の1の時間で済んだという。
Webブラウザを使って社内コラボレーションやドキュメント管理が行えるSharePointとの連係機能も強化した。Visioで作成したフローチャートをSharePoint上で共有し、進捗具合を確認できる「プロセスマネジメント」などの機能を搭載。「フローチャートによる進捗確認には他社の専用ソフトも多くあるが、VisioとSharePointを組み合わせることでより低価格で実現できる」(マイクロソフト・インフォメーションワーカービジネス本部の吉村徹也部長)
データベース(DB)上のデータを、リアルタイムにブラウザ上で可視化する「Visio Services」も新機能の1つだ。
Visioでは、作成した図面内の各図形に、外部データを持たせることができる。例えば業務サーバの稼働状況を示す図を作成したい場合、サーバを表すアイコンと、DB上の稼働状況データをリンクし、サーバの状況(使用可能/不可能)によってアイコンの色を変えるといった操作が可能だ。
Visio Servicesは、こうして作成した図面をSharePoint上に表示できる機能。図面に関連付けられているDB上のデータが変更された場合でも、ブラウザ上で更新すれば、データを反映した図面をリアルタイムで確認できる。
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