チームで使えるコミュニケーションツール選び――最後の課題ツール de オシゴト

社外メンバーを含めたプロジェクトチームで使えるコミュニケーションツール選びもいよいよ終盤。コストに関する話はどうしても避けて通れない。

» 2010年03月11日 20時15分 公開
[後藤康成,Business Media 誠]

連載「ツール de オシゴト」とは

 メール以外のコミュニケーションツールやコラボレーションツールを模索する新連載「ツール de オシゴト」。主人公のマコトは、1日100通を超えるメールを受信する広告代理店のビジネスパーソンだ。メールが埋もれて見逃すことも数回。過去のメールを検索するのに時間がかかってイライラすることもある。そこで、メールに代わるコミュニケーションが簡単に管理できるコラボレーションツールを模索する。

前回までのあらすじ

 社外メンバーを含めたプロジェクトチームで使えるコミュニケーションツールとして、Twitterのような「Yammer」や話題の「Google Wave」を試したマコトたち。SkyDriveやquanp、Backpackなどのオンラインストレージに関する情報も収集できた。その結果、機能面では「feedpath Rooms」が今回のプロジェクトに最も合っているようだ。では、コスト面ではどうだろう?



 晋作から最近のSaaS相場を教えてもらったマコト。今回のプロジェクトで導入予定のコミュニケーションサービスについてもだいたいのコストがつかめたので、土方局長に相談してみることにした。

マコト 局長。例のコミュニケーションサービスですが、選定が大詰めにきています。今日は費用についてご相談させてください。

土方局長 そうか。それでどのくらいなんだ?

マコト はい、20名規模で月額4000円から6000円程度で導入できそうです。

土方局長 マコト君。ほんとかね?

マコト 当初は月額数万円程度だと考えていたのですが、いろいろ調査してみるとこの手のサービスはクラウドサービスといって、最近では驚くほど安い価格で提供されています。もちろんサーバの準備もソフトウェアのインストールも必要ありません。

土方局長 ふむ……。5年ほど前に、当社で「エンタープライズサーチ」の導入を検討したことがあった。その時は確か36カ月減価償却でもアカウントあたり月額2000円は優に超えていた記憶があるんだが。もちろん今回とは導入規模などの面で違いはあるわけだが、最近はかなり安くなっているんだな。

サービス名 20名で利用した月額コスト 1人当たりの月額コスト
feedpath Rooms 4000円 200円
Backpack 9900円(99ドル) 495円
Fresh Meeting 1万円 500円
Yammer 1万円(100ドル) 500円

 マコトは以前、情報システム部門の同期からエンタープライズサーチについての話を聞いていた。これは、イントラネット内のファイルサーバやグループウェア、社内ブログ、社内ポータルなど多くのサーバにある情報を横断的に検索できるのが特徴である。

 もしこれを利用できれば、プロジェクトの垣根を越えたドキュメント検索が可能となり、他部門のプロジェクトリーダーのプレゼン資料や報告書を参考にできる。そんな理由から、マコトは導入を待ち望んでいた。

 しかし、当時は情報システム部門も忙しく、導入の際の権限管理など社内セキュリティのルール決めがなかなかできなかったことや、予算確保の関係で、いまだ導入には至っていない。

マコト 「feedpath Rooms」は共有ストレージも20Gバイトまで利用できるので、今回のプロジェクトにはマッチしていると思います。進めて構いませんよね?

土方局長 もちろん構わないが、1点だけ注文がある。セキュリティ的に問題ないことだけはしっかりと確認してくれ。

 マコトの最後の課題はサービスのセキュリティである。(つづく)

今回紹介したツール de オシゴト 概要
feedpath Rooms メールに代わるプロジェクトコミュニケーションツール。社内外におけるプロジェクトでメッセージとファイルを共有でき、そのやりとりを1カ所で管理できる。ストレージ容量は20Gバイト。

筆者紹介:後藤康成(ごとう・やすなり)

 フィードパスCTO兼feedpath Rooms エバンジェリスト。シリコンバレー・ベンチャーを経て2000年ネットエイジ入社。技術開発担当取締役としてネットビジネスのインキュベーション案件およびテクノロジー投資案件などを担当しビジネス&テクノロジーと幅広い経験を持つ。

 2005年、クラウドからビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立。Zimbraの日本市場展開、ビジネススケジューラーのfeedpath Calendar事業統括を担当するとともに、メールに変わる次世代企業間コラボレーションツールのfeedpath Roomsのエバンジェリストでもある。著書として「Web2.0 BOOK」など。Twitterアカウントはfeedpath。


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