Wi-Fiおよびスマートフォンへの対応はひとまず置いておき、スキャナの使い勝手を大きく左右するソフトウェア面に目を向けてみよう。iX500では「ScanSnap Maneger」というWindows/Mac OS X用サポートアプリが基本。ここで読取解像度やモノクロ/カラー設定、保存ファイル形式(PDFかJPGか)などを決め、スキャンを実行する。その上で、さらに別のアプリケーションへファイルを渡したり、インターネット上のクラウドサービスへアップロードしたりするかを選択できる。
自動設定が非常に充実しているのもうれしい。解像度、カラー設定はとりあえず自動設定にしておいて問題はない。また、ScanSnap Maneger側で「サイズ自動検出」にしておけば、A4用紙でも名刺でも、設定を変更せずにほぼミスなくスキャンしてくれる、同様に、原稿の天地も自動で修正(回転)するオプション設定がある。唯一注意点したいのは、PDF保存時にページ順が正しくなるよう、原稿1ページ目の表面を下にして、給紙トレイへ設置することくらいだ。
設定にもよるが、iX500ではスキャンを実行すると、その完了後に「クイックメニュー」が表示される。スキャンによってした生成したファイルを、どのように処理(保存)するかここで選ぶ。
一番オーソドックスなのは「指定したフォルダに保存」。自分自身でファイルを管理したいときはこれがベターだ。また、DropboxやEvernoteのクライアントアプリを経由して、ファイルをオンラインへもアップロードできる。
ただ、ドキュメントスキャナは大量の文書を一括ストックしてこそ、検索や整理の面でメリットがある。そこで、iX500ではファイル管理ソフト「ScanSnap Organizer」と名刺管理ソフト「CardMinder」を同梱している。
PC上級者になればなるほど「PCに余計なソフトを入れたくない」という声は高まりがちだが、ScanSnap Organizerだけはぜひ入れておいたほうがいい。それは「一度生成したPDFを、あとから検索対応PDFへ変換できる」という点に尽きる。
ScanSnap Maneger単体でも、OCR処理による検索対応PDFの生成は可能だ。だが、数十ページにおよぶPDFでその作業を行うと、処理に時間がかかり次のスキャンができなくなってしまう。対して、ScanSnap Organizerであれば、好きなタイミングで検索対応PDFの変換を実行できるだけでなく、ほかの作業をしながらでもバックグラウンドで処理をしたり、なおかつPCに負荷がかかっていないときにのみ処理したりも可能だ。
一方のCardMinderも、OCR機能付きの名刺管理ソフト。文字を自動認識・入力してくれるので、ユーザーはあとからデータが正確かどうかを確認すればいい。イチからキーボードで手入力するよりはるかに手間が少ないので、活用してみてほしい。(後編に続く)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.