日本語音声エンジンを標準搭載したWindows 8では、追加費用なしで日本語の音声読み上げができる。Adobe Acrobatと組み合わせれば、文章を手軽に読み上げることができ、文章の推敲作業などに役立てられる。
文章をチェックするには、何度も目先を変えて推敲することが欠かせない。しばらく時間を空けてから再度目を通したり、他人に読んでもらったりすることで、誤字脱字を発見しやすくなるのはもちろん、文章のリズムが悪いところにも気がつく。
目先を変えて文章をチェックするにはさまざまな方法があるが、誰かに手伝ってもらうのではなく1人で作業をするのであれば、音声読み上げ機能を使ってソフトウェアに文章を読み上げさせ、違和感のある個所をチェックするのは効果がある方法の1つだ。句読点が少ないがゆえに適切な位置で区切られなかったり、連続した漢字が熟語と見なされてしまったりと、日本語として読みづらい文章は、音声読上げ機能でも引っ掛かる場合が多いからだ。
Windowsで日本語の音声読み上げをするには、Windows 7までは日本語音声合成エンジンを別途インストールしておく必要があったが、Windows 8からはマイクロソフト製の日本語音声エンジン「Microsoft Haruka Desktop」が標準で搭載されるようになり、追加費用なしで日本語の音声読み上げが行えるようになった。PDFであれば、Adobe Acrobatに備わっている音声読上げ機能と組み合わせることで、日本語の読み上げが簡単に実現できるのだ。
使い方は簡単で、まずはAcrobatの[環境設定]→[読み上げ]で、音声に「Microsoft Haruka Desktop」が選択されていることを確認。続いて読み上げさせたいPDFを開いた状態で、[表示]→[読み上げ]→[読み上げを起動]を選択。この状態でPDF内の読み上げさせたいエリアをクリックすれば、文章が日本語で読み上げられるというわけだ。
この「Microsoft Haruka Desktop」によるPDFの日本語読み上げ、なかなか実用的である。合成音声であるがゆえ1本調子なのは致し方ないとして、ビジネス系の文書についてはほぼ違和感なくすらすらと読み上げてくれる。アルファベットや記号が入っていると、やや読みが不自然になるが、そのくらいだ。
こうして読み上げた際に漢字の読み間違いが発生すれば、適切な句点で区切られていないがゆえの読みづらさとして、元の文章を見直すきっかけになる。またカタログや社内資料の校正であれば、思わぬ誤字を見つけるきっかけになりやすいほか、スピーチ原稿であれば読むスピードを測るのにも役立つ。Windows 8ユーザーは無料で使えるので、今回紹介したAcrobat、あるいはOfficeソフトなどと組み合わせてどんどん活用するとよいだろう。
ビジネスの各シーンで利用するPDFファイル。このドリルを練習して、PDFを上手に活用できれば業務効率が向上し、コストの削減ができるはず! さらに、ビジネスのいろいろな問題も解決できるかもしれませんよ。
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