忙しいと、新規にメールを作成するのがつい面倒になり、返信メールを多用してしまいがちです。しかし、返信メールの扱いには注意する必要があります。例えば1週間前に受け取った「昨日はありがとうございました」と件名の欄に書いてあった文を変えずにそのまま別の用件のメールに使用してしまうと、受信する側は戸惑ってしまいます。用件が異なる場合は、新規作成するのが最低限のマナーです。
また、メールは会話よりも心に言葉がストレートに入ってきます。普通に書いても「上からものを言われている」ように感じてしまうこともあります。相手がビジネスにおいて同等の、あるいはこちらが優位な立場であっても「相手より自分は立場が少し下」という感覚を持って書くくらいがちょうど良いのです。
メールでのトラブルの多くは「誤解が誤解を生んでいる」という負のスパイラルに陥ってしまっているケースです。「意向が伝わっているつもりだったが、実はまったく伝わっていなかった」という小さな積み重ねがトラブルを引き起こします。トラブルの多い人は「メールだけで事が運ぶ」と考えているふしがあります。
「メールで何度もやりとりするくらいなら、直接会って話をすればすんなり解決できたのに」というケースは案外多いものです。メールに依存しすぎずにルールを守り、表現のスキルを身に付けて、メールならではのコミュニケーションのメリットを最大限に生かして使いこなしてください。
本記事は、『月刊総務』2013年4月号「総務のマニュアル」より転載しました。
正確に分かりやすく伝える――ビジネス文書の基本ルール
報告書作成は「客観的事実を正確に記す」「期日に遅れない」が原則
すぐ返事がもらえるメールの書き方とは
ビジネスメール指導のその前に――顔が見えない相手に“気が利く”新入社員に育てるコツ
多忙な人にメールを読んでもらうためのガイドライン「3-Bプラン」
会議の質が上がる「事前案内メール」用チェックリストCopyright (c) Nana Corporate Communication All Rights Reserved.