あなたの人生にかかわる衝撃的事実リスト【お金と資産運用編】:【図解】人生の大問題
1000兆円の借金を抱える日本政府は、企業であれば信用ゼロの状態。何もあてにならない時、最後に頼れるのは自分だけなのです。
本連載は「人生の大問題を図解する!」(光文社)の内容からポイントだけをピックアップしています。読者の皆さんのライフプランを見直し、後悔しない人生を送るための手助けになればと願っています。
人生の重大事の中から、「お金」「語学力」「仕事」「家族」「思考力」という5つのテーマで衝撃的かつ客観的なデータを幾つか紹介します。
第3回は「人生の大問題、衝撃的な事実リスト【お金と資産運用】」です。
お金と資産運用の大問題ヘッドライン
- 1000兆円の借金大国日本は、シニアを中心とする個人資産を担保に債務超過を免れている?
- 10年続く会社は6.3%。企業依存度の強い人生はリカバリがきかない!
- 国も会社もあてにならない時、最後に頼れるのは自分の価値しかない!
1000兆円の借金大国日本は、シニアを中心とする個人資産を担保に債務超過を免れている?
日本政府の借金は1000兆円です。資産もありますが、借金の方が圧倒的に多い。何と500兆円の「債務超過」です。これが企業であれば、信用ゼロ。もう借金できない状態です。
ところが、日本全体としてみれば個人の資産1500兆円の多くが銀行や郵便貯金経由で日本の国債を支えています。政府としては債務超過だが、国全体としては問題ない、そんなバランスシートなのです。だからこんな状態でも円が強いし、欧州のような信用不安にならないわけですね。
でも、これって既に私たちの銀行預金や郵便貯金が担保に取られているようなものじゃないですか? こんな日本というプラットフォーム、将来的にアテにできるんですかね?
10年続く会社は6.3%。企業依存度の強い人生はリカバリがきかない!
どんなに現在繁栄している企業でも、約束された将来というものはないのです。
実際、企業の生存率のグラフを見てみましょう。
国税庁(2005年調べ)によれば、日本の全法人数約255万社のうち、設立5年で約85%の企業が消え、10年以上存続できる企業は6.3%。設立20年続く会社は0.3%だそうです。そういう意味では100年続く企業は、本当に希少な存在ですね。もちろん既に50年、100年と存続している企業に入るのであれば、多少生存率が高いといえるでしょう。しかしそれでも、自分の生涯通じて会社が生存しているかどうか、そしてその会社が自分を雇用しているかどうかなんて保証はありません。
最後に頼れるのは自分の価値しかない!
最終的には、自分に自信があり、どんな国でもどんな仕事でも自分なりに成果を生み出せる自信のある人は将来に不安を覚えません。自分の依存しているプラットフォーム(国、企業、特定のビジネスモデル、ルール、コミュニティーなど)が崩壊すると、自分の人生まで崩壊してしまう人は先の見えない昨今、大変不安な日々を送っているかもしれません。
こうした発言は、会社を経営している者の発言として矛盾して聞こえる人もいるでしょう。
しかし、実態は企業に永遠などという言葉はないのです。全てのものは、それがどんなに確固たるものであっても、人間同様に生まれ、そしていつか死ぬ運命にあります。製品もサービスも全て同じです。政府だって例外ではありません。
ですから、国や会社に依存しすぎた人生は大変危なっかしい。特に、条件の良い大企業で長い間エリートとして活躍しているような人は危険です。自分のプラットフォームがないという想定で、一度自分の人生をシミュレーションすることをお薦めします。
本連載の元となっている人生の大問題を図解する!では、国や企業というプラットフォームに依存しすぎない、独立した人生設計のヒントを多数紹介しています。年の始めに、ぜひ人生設計を見直してみませんか?
次回は、「少子高齢化社会と家族の問題」です。
集中連載『【図解】人生の大問題』について
本連載の内容は、2011年12月に発売された『人生の大問題を図解する!』をもとに作成しています。
「図解思考」シリーズでおなじみの著者・永田豊志が、これから始まる“とんでもない未来”に、私たち日本人が生き残るための「5つの戦略」を、豊富な図解で解説します!!
本書は、これから生き延びていくために重要な5つのテーマ、すなわち「お金」「英語(語学力)」「仕事」「家族」「思考力」のそれぞれについて、ショートストーリー、関連データ、アクションプランの3部立てで図解し、一緒に考えてもらう構成になっています。
「何となく危ないのは分かるけど、本当のところはよく分からない」という問題も、できるだけ分かりやすく描いてみました。 (冒頭の挨拶文より)
目次
- プロローグ:「日本沈没」に負けないチカラ
- 第1章:「お金」を生み出す源泉はどこに?
- 第2章:本当に「英語」が必要なんですか?
- 第3章:「仕事」の死は突然やってくる?
- 第4章:「家族」はどこへ消えた?
- 第5章:「思考力」次第でエリートになれる?
著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』『ノート・手帳・メモが変わる絵文字の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
Twitterアカウント:@nagatameister
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