手帳にコンパネをインストールしよう:スマホ時代の手帳再入門(2/2 ページ)
手帳は多機能なツールになりつつある。スケジュール管理やToDoといった機能のみならず、スマートフォンさながらにいろいろな役割を担うようになっている。そこで考えたいのが“手帳のコントロールパネル”だ。
目的別コントロールパネルで習慣化せよ
手帳に求める機能は、人によって千差万別だ。
まず、手帳が便利なのは、工夫によっていろいろな使い方ができる点だろう。そしてどのページにどんな風に書くのかは、店頭で普通に売られているごく一般的な手帳には書いていない。というより、自由度の高さこそが手帳だ。
それは同時に、どのページ、どこの記入欄をどんな目的に使うのかは、きちんと定義しておかない限り習慣として定着しないことでもある。
そこで一覧表のようなスタイルで、手帳の各種機能を整理しておくのだ。これをやると自分が手帳に何を求めているのかがはっきりわかるようになる。それまで漠然と「これとこれとこれをやりたい」と思っていたことが明確に分かり、そのためのページ構成や周辺ツールの過不足を把握できる。
例えば、アイデアのメモを習慣付けたいと考えていたとしよう。そのためのページが手帳の中にないのなら、冊子を増設するなり、毎日の欄外の左側にメモするなり、何らかの解決策が分かるわけだ。
念のために言えば、有名人プロデュースの手帳は、このコントロールパネルが明確に定義されている。「これをこうやって使えばこんなメリットがありますよ」ときっちり決まっているのだ。だから使い手は迷うことがない。そしてこの迷いのなさ故に一定の支持を得ているといえる。
別の面から言えば、手帳のカスタマイズとは、手帳に自分が求める機能を目的別に付け足していくことだとも言える。
自分の手帳に足りないものは何か
同じ手帳を使っていても、使い方は十人十色だ。換言すれば、それは手帳に求めるものが人によって違う結果であり、コントロールパネルが異なっているということなのだ。
もし、今の手帳がうまく使えてないと感じているなら、コントロールパネルを作ってチェックしてみるといい。そうすると、自分の手帳に足りないものかが何なのか、明確に見えてくるのではないだろうか。そこから手帳のカスタマイズを考えて実行してみよう。
その場合の原則は、前述した、手帳の利用目的の明確化である。また利用の習慣付けでもある。
実際にはまず、今手帳でやっていることのリストを作り、使いながら過不足を調整してゆくことになるだろう。その結果、特定の目的、例えばレコーディングダイエット用の手帳は、仕事用とは別に用意することになるかもしれない。また1つの目的に複数の手帳が用意されていたことが分かり、どちらかを削減することになるかもしれない。
手帳のコントロールパネルを作ってみるのは、使い方を見直す絶好の機会だ。ぜひやってみよう。
著者紹介 舘神龍彦(たてがみ・たつひこ)
手帳評論家。最新刊『使える!手帳術』(日本経済新聞出版社)が好評発売中。『手帳カスタマイズ術』(ダイヤモンド社)は台湾での翻訳出版が決定している。その他の主な著書に『手帳進化論』(PHP研究所)『くらべて選ぶ手帳の図鑑』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)『システム手帳の極意』(技術評論社)『パソコンでムダに忙しくならない50の方法』(岩波書店)などがある。誠Biz.IDの連載記事「手帳201x」「文具書評」の一部を再編集した電子書籍「文具を読む・文具本を読む 老舗ブランド編」を発売
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