X製作所御用達の居酒屋・天下布武。奥の個室に、日野下と同期たち、それに竹中が集まっていた。本社3部門の「働き方改革・業務改革プロジェクト」は、実行フェーズも終盤に差し掛かり、各部門が自走して進められるようになってきていた。
効果も順調に上がり、既に15%程度の余力創出が確認できており、最終的にはならして25%は越えそうであった。今日は、本社3部門のゴールが見えたところで、日野下が簡単な振り返りの会を主催したのだった。
日野下: まだ、プロジェクトは完結した訳ではないが、峠は越した。この後は、各部長に委ねていっても、しっかり効果が出そうです。皆さん、お疲れさまでした!
ただ、今日は打ち上げではないんだ。今回のプロジェクトのポイントを皆とざっくばらんに話し合って、カタチにしておきたいんだ。
武闘派・福島経理課長が続ける。
福島: そうだな。昔のうちの会社って、プロジェクトをあれこれ立ち上げては、結果が出ないまま立ち消えになってたな。今回はどこが違ったんだろうな。
片桐・IT部長: まあ、社長が怖いっていうのは大きいな(笑)。でも、脅すだけではあんな一体感は生まれない。最近は、メンバーたちが楽しそうにすら見えるからな。
「そこで、だ」。日野下が目の前の酒肴(しゅこう)を脇へどけて、PCを開く。
日野下: これは、プロジェクトを始めるときに、竹中さんが教えてくれた5カ条です。
画面には、
1.経営層の強いリーダーシップ
2.目標の明示と、部長のコミットメント確保
3.投資対効果を意識した、メリハリの利いたスコープ
4.ツール導入でなく、あくまでも業務改革を推進する意識付け
5.スピード重視
の5行が映し出された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング