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» 2019年07月22日 05時00分 公開

マシリトが行く!:『ジャンプ』伝説の編集長が語る「21世紀のマンガ戦略」【後編】 (4/8)

[伊藤誠之介,ITmedia]

新しい読者を育てるには?

――新規の読者を育てることについて、ゲームでは任天堂だと『マリオ』を親子で一緒に遊んだりというのがあるんですけど、漫画に関してはどのようにお考えでしょうか? 

鳥嶋: 簡単に言うと、ゲームでも子どもを手に入れているものがあるんですよ。『ポケモン』です。それから、一時期の『妖怪ウォッチ』がそうです。だから、ちゃんと子ども向けに狙って作れば、子どもも動くんですよ。

photo 『妖怪ウォッチ』は多くの子どもたちに支持された(妖怪ウォッチ シリーズのWebサイトより

 ただ、子ども向けのものは当たる確率が低いんですね。なぜかというと、クリエイターはみんな大人だから。自分たちの感性を基に、「面白いか、面白くないか」という基準で作ると、大人向けになっちゃうんです。子どものものを作るにはやっぱり、子どもがどう感じているかというのをちゃんとリサーチしながら、作っては壊しというのをやって、それを基にして作っていかなきゃいけない。任天堂はそれを考え続けているからできるんです。

 今、漫画がそれをちゃんとできていないのは、子どもをちゃんと見ていないから。『コロコロコミック』は唯一、それをやっているかな。『少年ジャンプ』が今がんばっている、部数の下落が止まり始めたと言うけれど、僕が見ていて思うのは、小・中学生の男の子向けのアクション漫画を作れていない。これが作れていないというのは、『少年ジャンプ』の“少年”の意味がないということなんです。『少年ジャンプ』は本当の意味で、まだ復活していない。

 だから大事なのはボーイズアクションです。アメリカで言うとシックス・イレブン。6歳から11歳までのボーイズは、いちばんオモチャが売れる年代なんです。実はこの年代は、ネットの影響を受けないんですね。なぜなら6〜11歳はクレジットカードを持っていなくて、スマホでコンテンツを買えないから。

 やっぱり依然として、子どもをどう狙っていくか。日本は少子化だと言いますけど、じゃあ日本の子どもを全部獲ったのか? 獲ればそれなりの数になりますよ。だからモノを作っている人間はみんな、言い訳をしているだけだと思う。真剣に子どもに向き合ってちゃんと作れば、ちゃんと獲れると思います。

photo 『コロコロコミック』はそれほど部数を落としていない(コロコロ公式サイトより)

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