東日本大震災の後、私はあるWebメディアで「脱会議」をテーマにした連載をスタートした。多くの人にとって関心があるテーマだったのか、記事1本のPVが100万を超えるほどの大ヒットも記録。記事を公開すれば常にランキングでも1位を獲得するくらいの読まれぶりだった。それほどの反響があったにもかかわらず、残念ながら日本企業における会議が減った様子はない。
しかも、その多くが「残念な会議」だ。残念な会議といっても多種多様。存在自体がムダな会議、誰か1人が演説し、話し合いにならない会議、目的がなくはじまり「じゃあそういうことで……」と言うだけでネクストアクションが決まらず終わる会議……。
私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。いろいろな「残念な会議」を見てきた。そして業績が悪い会社ほど会議が多く、そして会議が長いことを知っている。しかし10年以上、会議愛好者たちをウォッチしてきたが、これまでにこの人たちを脅かす存在など皆無だった。どんなに時代が変わっても、業績不振で会社がなくならない限り、絶滅しないのではとずっと思い込んできた。
ところが、である。そんな会議愛好者に、かつてないほど大きな敵があらわれた。それが「テレワーク」である。
昨今、新型コロナウイルスの影響で、急速にテレワークが普及している。安倍首相が一斉休校を要請すると、翌日から在宅勤務を強いられる社員が全国的に急増した。そしてその流れに便乗し「満員電車が怖いから」という理由で、在宅勤務を希望する社員もドンドン登場している。そのせいもあって、交通機関や街の人通りも減ってきた。
同じように、オフィスの会議室もガラガラになった。新型コロナウイルスの感染拡大を必死に食い止めようと官民が協力して、踏み込んだ対策を実施しているのである。現時点で「1LDK」ができるような、そんな感度の低い企業は淘汰されつつある。
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