インターステラテクノロジズ(以下IST、北海道広尾郡)は、6月14日に打ち上げた「えんとつ町のプペル MOMO5号機」に続き、2020年夏に次の観測ロケット「ねじのロケット」を打ち上げると発表した。実施日時は直前に発表する。
ロケットの機体スポンサーとして、ねじ商社のサンコーインダストリー(大阪市)と、ブロックチェーンの技術を用いたサービスを開発するTheotex Group HD(東京都千代田区)を発表。また、生花の通信配達受注を手掛ける花キューピット(東京都品川区)のバラ1輪を搭載物(ペイロード)として宇宙空間まで運ぶ計画を明らかにした。
観測ロケット「MOMO」は 「世界一低価格で、便利なロケット」をコンセプトにISTが開発し、過去5機を打ち上げてきた。今回は、製造期間が約3カ月とスピーディーに開発されている。同社は「技術実証の段階からさらに事業のフェーズを進めることを目指して、高頻度かつスピード感のあるロケット打上げを目指します」と表明した。
機体スポンサーに決定したサンコーインダストリーは、ねじを中心とした120万の締結部品を扱うねじ商社。「MOMO」においても、同社が扱ったねじが1機体あたりに約2500本使用されている。同社は同機のネーミングライツを取得し、「ねじのロケット」と命名した。
サンコーインダストリーの奥山淑英社長にスポンサーをするビジネス上のメリットをどのように感じているかを問うと「携帯電話からロケットまであらゆる産業にねじが使われていることを周知する方法として効果的だ。分かりやすい効果としては、採用活動において『ISTのロケットにねじが使われている』と各所に話ができる」と答えた。
一方、花キューピットの吉川登社長は「4400店舗の加盟店の協力のもと、全国どこにでも花を届けるというビジネスモデルを掲げており、その延長線上として宇宙空間まで届けることにもチェレンジしていきたい。花卉(かき)業界にもまだまだ市場があることを示すことができ、意義を感じている」と話した。
ISTの稲川社長に採用の方針について聞くと以下のように答えた。
「(2019年の)3号機や4号機の打ち上げのときは社員は25人ほど。現在は40人の従業員がおり、15人ほど増えた。増えた人間の多くは技術者で、その中の2人はトヨタ自動車からの出向という形で来ていただいている。
ロケットエンジンの開発がこれから佳境に入ってくるので、(小型衛星を宇宙空間に運搬する軌道投入ロケットの)『ZERO』開発に向けて、(燃料をタンクからロケットの燃焼器に送る)ターボポンプを開発する回転機械エンジニアが必要で、重点的に採用したいと考えている。
海外の競合企業は100人前後の規模で小型ロケットを開発していて、当社もZEROを打ち上げる(2023年)ころには同程度の人数が必要になると考えている」
採用の詳細は7月30日に実施するオンライン会社説明会で説明する。
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