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» 2020年11月05日 05時00分 公開

【独自】ワタミ「ブラック企業に逆戻り」騒動 内部取材で明らかになった、衝撃のウラ話を暴露する告発された「パワハラ」の実態(3/10 ページ)

[新田龍,ITmedia]

 なぜなら、既に同社はホワイト化路線で従業員からも顧客からも高い評価を得ているからだ。レピュテーション(評判)リスクを考慮しても、ワタミが社員に対してあえてそのようなムチャな働かせ方を強いる合理的な理由がないはずだ。しかも、ワタミの宅食部門は今や同社にとって飲食事業以上の稼ぎ頭として期待されており、システム化もある程度進んでいる。当初報道にあった「175時間」という残業時間について、実際のところそこまで残業するほどの業務がそもそも存在するのかどうか、率直に疑問であったのだ。

 さらに、ワタミ社内には自前の労働組合「ワタミメンバーズアライアンス」が存在するにもかかわらず、Aさんは同組合に頼ることなく、わざわざ外部のユニオン(合同労組)である「総合サポートユニオン」およびその支部である「ブラック企業ユニオン」に駆け込んでいることについても不自然さを感じた。そこで筆者は、これまでの長年にわたる同社取材をへて構築したネットワークを基に、本件の真相を探るべく調査と、関連各所への取材を行った。

報道で語られなかった「もう一つの事実」

 ワタミは今般の労務問題発生を受け、再発防止のために本件を会社から独立した立場で調査する「特別調査委員会」を10月7日に立ち上げた。調査目的として挙げられた事項の一つに、このような文言がある。

(2) 本件に関する報道内容について、一部の従業員から事実と異なる部分があるとして申入れが行われている事実関係の有無に関する調査

本件を巡り、「特別調査委員会」を立ち上げたワタミ(出所:同社公式Webサイト)

 すなわち「先述の報道内容において事実と異なる部分がある」と、従業員側から指摘がなされているというのだ。そして実際、これは筆者の調査結果とも合致する。筆者がインタビューした、Aさんの元同僚やAさんの部下として働いていた人たちは異口同音に、報道では明らかになっていない事実を詳しく語ってくれた。

 結論から申し上げておくと、これから述べる調査結果は、今般の騒動においてAさん側から発信されている情報、既に各メディアで報道されている情報とほぼ真逆である。では、具体的に詳説していこう。

Aさんを被告とした訴訟が提起されていた!

 10月19日、一つの訴訟が提起された模様だ。原告はワタミ宅食部門の一部従業員。そして被告は、今般の労務トラブルの被害者である営業所長のAさんであった。訴訟の趣旨は「Aさんによるパワハラとセクハラに対する損害賠償」。原告の「一部従業員」とはAさんの元同僚や部下たちであり、その訴状には「事実検証を行うことなく被告(Aさん)の主張を前提とした報道も存在するが、真実は異なる」「被告は営業所長としての十分な業務を行うことなく、自分の意に沿わない原告(Aさんの元同僚や部下)らに対してハラスメント行為を行っていた」という趣旨の主張がなされていたのである。

 そう、Yahoo!ニュースをはじめとする今般の報道とは逆で、Aさんが加害者という位置付けなのだ。なぜそんなことになっているのか。筆者の独自取材と本件訴状内容から見えてきた、既報では語られていない一面を解説していく。

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