今年最大のダークホースはMX-30だった。詳細記事はこちら。実はこれで紀伊半島を一周した。総走行距離1800キロ。乗れば乗るほど良いと思った。スペック上は今年のモデルの中で最も普通。むしろ読者の方々から見れば「おまけ」くらいに見えるのではないか? ところがこのクルマの馴染むことといったら、ちょっと別格であった。
このクルマの馴染むことといったら……MX-30
乗り心地が良く、加減速も抑制が効いており、違和感ゼロ。操舵感覚も穏やかで心穏やかにいられる。かといって高負荷領域に持ち込んでもちゃんと付いて来る。一通りADASも完備されていて、不足を感じないし、ちゃんと機能する。12月7日の記事にも書いた通り、現在のベストマツダである。
フリースタイルドアのおかげで、補助席扱いされるリアシートだが、このリヤシート、長距離座っていても全く疲れない。そういう意味では広々としたスペースを持つハリアーと対照的で、決して広大ではないが、シートそのものの出来で評価を上げた。もしリヤシート・オブ・ザ・イヤーというものがあったとしたらコレに贈呈したいくらい快適だった。後席に座るのが罰ゲームにならない。
後席が罰ゲームにならないMX-30
トヨタのハイブリッドによる超絶燃費であるとか、アイサイトXの革新的ADASとかの、分かりやすい飛び道具がひとつも無いクルマだが、日々の生活のパートナーとしてこれだけのクルマはなかなか無い。目立たない当たり前のことを全部地道に磨き上げたという意味で、これはまた特筆に値するクルマであった。
燃費はリッターあたり13キロ台。こちらもマツダのxEV計画に期待したい。
- ビンテージイヤーに乗った特筆すべきクルマ(前編)
さて、筆者は2020年は日本車のビンテージイヤーであると主張しているが、まずはその前編。2020年を代表するクルマとして、トヨタ・ヤリスの3兄弟である、ヤリス、ヤリスクロス、GRヤリスを取り上げる。
- レヴォーグで提示されたスバルの未来
シャシー性能に注力したスバルの改革は、本当にスバルに相応しい戦略だ。すでに何度も書いてきているが、フラット4の余命はそう長くない。CAFE規制の今後を見れば、少数生産の特殊エンジンとして生き残ったとしても、いつまでも主力ではいられないだろう。その時「スバルの走りとは何か?」と問われたとして、このレヴォーグのSGPセカンドジェネレーションには十分な説得力があり、スバルがスバルでい続けられる理由が相当に明確になった。
- マツダMX-30で1800キロ走って見えたもの
そもそもMX-30に与えられた使命は、電動化の牽引役だ。年明けにはいよいよ国内でもEVが出る。これは以前プロトタイプに乗ったが、スーパーハンドリングマシーンと呼べる出来になるはずである。次の時代に向けた実験的取り組みは、全てこのMX-30がテストベッドになる。そのクルマの基礎素養がこれだけ好もしいものであったことで、期待は高まろうというものだ。
- MX-30にだまされるな
マツダの電動化の嚆矢(こうし)となるMX-30をどう見るか? このクルマのキャラクターをつかもうと思うのであれば、変化球モデルだと思わない、スポーツ系モデルだと思わない、ついでにフリースタイルドアのことも電動化のことも全部忘れる。そうやって全部の先入観を排除して、普通のCセグのSUVだと思って乗ってみてほしい。その素直で真面目な出来にびっくりするだろう。
- 日本勢の華麗なる反撃 アイサイトX
高度運転支援システムにまつわる「考え方」的な諸問題を解決し、使いやすく便利で、なおかつモラル的な逸脱をしっかり抑制したADASへと生まれ変わったのが、今回デビューしたアイサイトXだ。また大袈裟だといわれるのを覚悟して書くが、アイサイトXは、2020年の時点では世界最高のADASだといえるし、少なくとも市販モデルに搭載されたシステムとしては、最も自動運転に近づいたシステムである。
- ハリアーはアフターコロナのブースターとなるか?
多くの読者はすでにハリアーが今年の大注目モデルであること、そして売れ行き的にもとんでもないことになっていることをご存知のことと思う。7月17日にトヨタから発表された受注状況は、それ自体がちょっとしたニュースになっている。
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