陳元主席、指導者、金融業界の皆さま。こんにちは。
大会にお招きいただきありがとうございます。皆さんと共に学び、交流し、討論する機会をいただき、嬉しく思います。
私は13年の上海陸家嘴の金融フォーラムでも、インターネット金融について浮世離れした考えを発信しました。7年経った本日、金融業界の素人としてこの民間フォーラムで考えを共有できることに喜びを感じます。
今日ここでスピーチをするべきか、正直に言うと悩みました。ただ私たちは、他人に押し付けられない責任を負っています。それは未来を考える責任です。私たちはこの世界で、数多くの発展の機会に遭遇しますが、命運を左右するような機会は1、2回あるかでしょう。そして今がそのタイミングです。だから私は、ここで自分の考えを語るべきだと腹をくくりました。
これからお話することは、自分の16年に及ぶ経験と実践に加え、国連の「デジタル協力に関するハイレベル・パネル(リンク)」の共同議長に任命され、国連が持続可能な発展目標を提唱していた期間に、世界中の学者、専門家、そして実践者と討論して導き出されたものです。私はどのみち引退した身ですし、民間のフォーラムで思う存分言いたいことを言い、非専門家としての専門的な視点をシェアすることにします。皆さんの参考になれば幸いです。おそらく未熟で、間違ってもいるでしょう。玄人から見たら失笑ものかもしれません。とりあえず、お聞きください。
まず、私たちは、踏襲された価値観に縛られています。例えば、国際スタンダードに追いつくには、欧米など先進国を見習い、国内の(技術や制度といった)空白を埋めることを常に目標としてきました。
現情勢において、「空白を埋める」という言葉には問題があります。欧米のものだから先進的で私たちは導入しないといけない、というわけではありません。特に今、私たちは無条件に、どこを欧米に寄せるか、どの国の標準に合わせるか、どの空白を埋めるか、そこに囚われるべきではありません。私たちが今考えるべきは、どう未来にリンクし、未来の標準に合わせ、未来の空白を埋めていくかです。
私たちは未来がどうなるか、未来に向かって自分たちが何をすべきか知るべきです。それを知ってから、他の人がどうしているかを見るのです。他人の言葉を繰り返し、他人が設定したテーマについて討論し続けるならば、私たちは現在の問題に対処できないばかりか、未来への道も失うでしょう。
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