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パナソニック“次の100年”のキーパーソン、Shiftall 岩佐CEOに聞く(前編)家電メーカー進化論(8/8 ページ)

» 2021年05月27日 07時00分 公開
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 「普及が進んだ製品は、新たなテクノロジーやユーザビリティなど、イノベーションの起きる要因が複数ある。しかしそうしたイノベーションは、既存メーカーが強みを発揮しにくいため進んでほしくない方向性だった。自分たちがそこに進んだら、自分で自分の首を絞めてしまうことにつながる。

 しかし、こういうイノベーションは世界中で山のように起きていて、EV(電気自動車)、バイクや原付バイクの代わりになり得る『電動キックスケーター』なども同様だ」(岩佐氏)

 馬車が自動車に取って代わられたように、破壊的イノベーションは次々と起こっている。怖いのは、そのサイクルが50年や100年ではなく、圧倒的に短くなっていることだ。

 「それに対して従来のやり方、つまり50年のサイクルを前提にしたマインドセットを組織やチームが持っているというのはとても危険だ。パナソニックを含めて、各メーカーの経営者は少なくとも、その組織やマインドセットを変革しなければならないという認識を持っていると思う」(岩佐氏)

 ハードウェアスタートアップを自ら立ち上げて10年経営してからパナソニックに復帰した岩佐氏にとって、まだまだそのスピード感、新規事業創出に対するマインドは足りないという。では現在、どのようにパナソニック内部で取り組んでいるのか。後編で紹介していきたい。

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