次はシャシー技術の話。こちらもブランニューのシャシーなので、全体の狙いはどこにあるのかの検分から入り、基本構成をさっくりと舐めて、考え方の新しい部分を説明していく。
具体的には人間中心の話、身体拡張の話、それを実現するためにやるべきこと、そのための剛性バランス、あるいは剛性の連続性の話と質量バランスの設計、ロールとピッチングの考え方とまとめて、そこにマツダの次世代技術である「キネマティックポスチャーコントロール(KPC)」の話も網羅しなくてはならないだろう。余談として運転のフィードバックに必要な音の設計の話も入るならば入れたい。
ここまで書いてようやく実車検分に移る。乗ってどうだったのか? それを書き終わって、総括をしてようやく1本の原稿である。
論理の積み上げ説明として考えれば、ここまでの項目立ては、順番を守らなくてはならないのだけれど、一方で報道協定で4月7日まで記事化しない約束で取材しているという現実の事情もある。テストコースに呼ばれた書き手によるインプレッションが、7日にはすでにWebに大量に掲載されているだろう。
ITmedia ビジネスオンラインのコンテンツとしての競争力を考えれば、順番にこだわって「乗ってどうだったか」の話を先送りにすると情報の鮮度が落ちてしまう。読者だってそこが一番聞きたいはずだ。となればここを最初に書かないと読者の期待に応えられない。
ということで、極めて恐ろしい分量が予想されるこの記事なのだが、諸般の都合で、大事なことをいろいろ置き去りにしつつ、まずはインプレッションから書き始めたほうが良さそうだ。そして多分1本目はそのあたりで文字量限界になっていったん終了する。
さて、要するに、ここまで書いた全部がCX-60の記事の目次ということになるのだが、ここまでですでに記事1本の半分の文字量を費やしている。
- ロードスター990S 7年越しの回答
マツダのアイコンともいえるロードスター。マツダにとってはもちろんのこと、世界中のファンにとっても特別なクルマだ。2015年にデビューしたそのNDロードスターが大きく進化した。すでに評判はお聞き及びのことと思う。もはやちょっとしたお祭り騒ぎと言っても良い高評価である。一体何がどう変わったのか?
- 電動化とラージPFを両立する、マツダ新工場の「縦スイングと横スイング」
「xEV計画」と直6縦置きのラージプラットフォーム。これを進めていくためには、当然生産設備を大幅に改変しなくてはならない。普通ならば、従来設備を適宜改良して、xEVとラージに対応させるだけでいいのだが、マツダはこれを大きなチャンスに変えようと考えた。
- EV生産比率を5倍に増やすマツダと政府の“パワハラ”
マツダは、30年時点のEVの生産比率を25%と大幅に上方修正した。ではなぜマツダはそれだけEVの比率を大きく再発表したのかといえば、これは政府によるパワハラの疑いが濃厚である。
- マツダ初の「MX-30 EV」 姿を現したフルスペックのGVC
マツダMX-30にEVモデルが追加された。これがいろんな意味で非常に面白いクルマだったので考察してみたい。「これこそがマツダのEVへの回答」と受け止める向きもいるかもしれないが、それは半分だけ正解で半分は不正解だ。
- マツダの第6世代延命計画は成るか?
マツダはこのFRのラージプラットフォームの開発をやり直す決意をして、発表予定を1年遅らせた。ではその期間をどう戦うのか? マツダは第6世代に第7世代の一部構造を投入してレベルアップさせながらこの遅れ分をカバーしようとしている。キーとなるのが、17年に第6世代の最終モデルとして登場した、マツダ自身が6.5世代と呼ぶ2代目CX-5である。
- マツダMX-30で1800キロ走って見えたもの
そもそもMX-30に与えられた使命は、電動化の牽引役だ。年明けにはいよいよ国内でもEVが出る。これは以前プロトタイプに乗ったが、スーパーハンドリングマシーンと呼べる出来になるはずである。次の時代に向けた実験的取り組みは、全てこのMX-30がテストベッドになる。そのクルマの基礎素養がこれだけ好もしいものであったことで、期待は高まろうというものだ。
- マツダの決算 減収減益の中で好内容
マツダのオンライン決算発表が行われた。販売台数ダウン、減収減益という中で、決算内容そのものは課題だけでなく、光明が見えるものだった。
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