KDDIとみずほ銀行、2つの障害に3つの類似点 根幹にある問題とは社長の会見対応は一部で絶賛も(1/6 ページ)

» 2022年08月07日 07時08分 公開

 一律200円の補償対応で一応の矛を収めた携帯電話キャリアKDDI(au)の大規模通信障害ですが、稀にみる大きな社会問題としてあらめて検証する必要があると感じています。

photo 通信障害が発生したKDDI
photo 一律200円を返金する(出典:KDDIの発表資料

 本件は通話、データ通信利用はもとより、同社の通信網を利用する運輸インフラを始め、銀行や医療機関にまで及んだ大障害ですが、個人的には障害の影響そのもの以上に、KDDIの対応のまずさには企業マネジメント上で大きな問題を孕んでいます。

photo 通信障害の影響数(出典:KDDIの発表資料
photo 通信障害の影響範囲(出典:KDDIの発表資料

 何よりもまずその端緒は、障害発生後の初動にみてとれます。障害発生からの流れをあらめて時系列で振り返り、KDDIの対応を検証していきましょう。

障害発生の第一報は1時間40分後 Twitter投稿は16時間後

 障害発生は7月2日午前1時35分。しかしKDDIが自社サイトに第一報を掲載したのは、発生から1時間41分後の同日午前3時16分でした。夜中であったとしてもこれは遅い。

photo KDDIが自社の公式Webサイトに掲載した第一報

 近年はTwitterなどSNS経由で騒動が広がる傾向がありますが、KDDI広報(@kddipr)の公式アカウントへの投稿はさらに遅く、同日午後5時28分と、発生から16時間後のことでした。多方面に影響の大きい通信インフラ障害であれば最低でも発生から30分以内には、障害発生の第一報を流すべきでしょう。

       1|2|3|4|5|6 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.