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4.1兆円「推し活」市場へ動くVisa カード会員を持たない決済ブランドが音楽を押さえるワケ(2/4 ページ)

» 2026年09月19日 08時30分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

「Visaを持たないと買えない」体験の裏側

 Adoのスタジアムライブでは、クレディセゾンが発行するVisaカードの会員だけが先行抽選に申し込めた。ゴブラン織りのブランケットも同じ会員に限って販売された。7月には「SAISON CARD Digital<Ado>」の募集も始まった。券面はAdoのイメージディレクターを務めるORIHARA氏が今回のために描いたものだ。

photo1 SAISON CARD Digital<Ado>(プレスリリースより)

 ユニバーサル ミュージックとの間でも取り組みの形は同じだ。9月17日の発表会で両社は、原宿・竹下通りに開いたThe Weekndのポップアップストアを例に挙げた。午前10時から11時まではVisaカードの会員が優先して入場できるようにし「グッズの会計にも優先レーンがある」と里村氏は説明した。利用者からVisaはどう見えるのか。7月にそう問われた里村氏は「Visaを持たないと買えない。持っていることでこういうことができるかもしれない、という体験になっている」と答えている。

 ただし、Visaは自らカードを発行していない。会員を抱えるのはクレディセゾンのような発行会社(イシュア)だ。そこでVisaは権利元との交渉役に回る。Adoの件では、レーベルのユニバーサル ミュージックとVisaがライブ協賛の話を進め、そこへセゾンを誘った。里村氏によれば、案件はイシュア全体に紹介し、手を挙げた会社と組む。Adoのカードはこの3社で契約を結んだ。同じ形の取り組みは、セゾン以外の発行会社にも広げる考えだという。

 この仕組みでVisaは何を得るのか。里村氏は7月、成果を測る物差しを2つ挙げた。「行きたい場所へ連れて行ってくれるブランド」という認識が広がったかどうかの調査と、施策への参加者数・参加率だ。

 2つの物差しに決済額は入っていない。ただ、決済への効果はスポーツの事例からうかがえる。サッカーW杯のビューイングパーティは、イシュアが会員を招待する形で220人を集めた。応募にはイシュアごとに利用額や利用回数の条件がある。「条件に合うように皆さんが頑張る。想定値をかなり超える形で消費もされた」(里村氏)。音楽で同じ設計をするとは説明していないものの、Adoのカードにも入会の翌月末までに1万円以上使うと2000円を戻す特典が付く。限定の特典に利用条件を付ければ、会員の利用額が増えるというわけだ。

photo1 「Ado STADIUM LIVE 2026 Ao」オリジナルゴブラン織りブランケット(プレスリリースより)

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