さすがに画質を追求した巨大なAF-S NIKKOR 85mm f/1.4Gを装着すると、ボディとのアンバランスさが顕著に感じられるようになり、AF-S NIKKOR 200mm f/2G ED VR IIのミニチュア版のようにも見える。とはいえ、このサイズで35ミリ換算約229.5ミリ/F1.4、最短撮影距離85センチを実現しているのは面白い。なお、380グラムを超えるレンズを使用する場合は、ボディやストラップだけで支えずにレンズ側を持つよう注意書きがある。
描写について言えば、85mm F1.4ならではの大きなボケが楽しい。独特の線の細い描写はキットズームレンズでは味わえないものだが、手ブレ補正がないのでシャッタースピードが遅い場合はブレに注意が必要だ。
巨大なAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIを装着すると、展望台に備え付けられた望遠鏡のようないでたちとなる。
この組み合わせでは手ブレ補正付きの35ミリ換算189〜540ミリ/F2.8相当の超望遠レンズとなるので、FXフォーマット(フルサイズ)ボディとの組み合わせ(70〜200ミリ)とは、ほぼカブらず運用できることになる。
描写について言えば、AF-S NIKKOR 85mm f/1.4Gと同様、大口径レンズならではのとろけるようなボケが楽しめる。さらに望遠端では、圧縮効果による独特の距離感を表現することも可能だ。超望遠レンズとなるが、手ブレ補正「VR」による像の安定は素晴らしい。
センサーサイズの関係上、焦点距離はレンズ表記数値の約2.7倍となるが、今回試用した3本いずれも標準ズームレンズより描写力が高く、ボケの表現などもできることからFT1の価値は十分にあるいえる。とは言え、AFが中央一点のみやAF-Cが使えないなどのマイナス要素もある。AF-Cは無理だとしても、せめてAFポイントが増えてくれれば実用度がさらにあがると思うのだが。
コンパクトな望遠システムを組めるということを考えると、手ブレ補正付き約283ミリ相当となる「AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED」なども面白そうだ。
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