GfK Japan調べによる、デジタルビデオカメラの販売ランキングをまとめた。集計が3月上旬と卒入学式などライフイベントを目前とした時期となるためか、高機能・高画質を前面に押し出すモデルより、ベーシックなエントリーモデル、もしくは本体サイズやカラーなどから女性向けを訴求する製品の人気が高い。
販売ランキングで人気の高いソニー「HDR-CX270V」やJVCケンウッド「GZ-E265」はベーシックモデルに分類できる製品で、突出したスペックを持つ訳ではないが、裏面照射型CMOSセンサーを使ったフルハイビジョン映像、余裕のあるメモリ容量(両モデルともに32Gバイトのメモリを搭載する)、高倍率ズームレンズ(HDR-CX270Vは光学25倍、GZ-E265は光学40倍)など、卒入学式などの録画用と考えれば十分なスペックを備えており、価格もこなれている。人気が出るのも納得できだ。
卒入学式需要という意味では「小型軽量」「カラーバリエーション」を前面に押し出し、これらのイベントでカメラ役となることも多い女性の支持を狙うモデルも目立つ。販売ランキングトップ10にはパナソニック「HC-V300M」「HDC-TM45」「HDC-TM25」がランクインしているが、これらはいずれも“愛情サイズ”をうたう製品。ちなみにHDC-TM45/25は昨年のモデルであり、既に在庫のみの状態。店頭では安価に販売されているようだ。
ミドル〜エントリークラスのビデオカメラでも1920×1080ピクセルのフルハイビジョン録画が標準機能となり、各社はズーム倍率やメモリ容量、ひいては販売価格ぐらいしか差別化が打ち出せなくなっている。前述したよう家庭用ビデオカメラという商品ジャンルにおいては対象を女性に絞るなど、製品企画という意味ではまだ差別化を図ることも可能だが、新機能の追加で他社製品、もしくはデジカメやスマホの動画撮影機能との差別化を図るのは難しいと思われていた。しかし、ランキングを見ると、ユニークな機能を搭載した製品が支持を得ていることが分かる。
それがランキング7位に登場しているソニー「HDR-PJ590V」。ビデオカメラにプロジェクターを内蔵し「撮る」と「大画面で見る」を1台に収めた製品だ。
搭載するプロジェクターのパネル解像度は640×360ピクセルで、100インチまでの投映が可能となっており、最長5メートルの投影距離を持つので、リビングなどで利用すれば大半のテレビ以上の大画面で撮影した映像楽しめる。投影用スクリーンもあるに越したことはないが、壁や天井、ふすまなど、映し出す先が白色系ならば十分だ。
ソニーとしてはプロジェクター内蔵ビデオカメラを一昨年から投入しており、その際には2モデルのみの搭載だったものの、今シーズンはHDR-PJ590Vを含む3モデルを投入している。他社の追従は今のところ見られないが(「プロジェクター搭載デジカメ」はニコンが発売している)、こうした「撮った後の楽しみ」の提案がどれだけ受け入れられるか、興味深いところだ。
順位 | 前回順位 | メーカー | 製品名 |
---|---|---|---|
1位 | 1 | ソニー | HDR-CX270V |
2位 | 3 | JVCケンウッド | GZ-E265 |
3位 | 5 | パナソニック | HC-V300M |
4位 | 4 | キヤノン | IVIS HF R21 |
5位 | 7 | ソニー | HDR-PJ590V |
6位 | 2 | パナソニック | HDC-TM45 |
7位 | 9 | ソニー | HDR-CX590V |
8位 | 10 | JVCケンウッド | GZ-E225 |
9位 | 6 | ソニー | HDR-CX180 |
10位 | 11 | パナソニック | HDC-TM25 |
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