新たに「FUJIFILM XE-1」「FUJIFILM XF-1」の2製品をそのラインアップに加えた、富士フイルム「FUJIFILM X」シリーズ。photokinaにて開催された同社プレスカンファレンスでは、新製品にも流れるXシリーズのデザイン面における「DNA」について語られた。
FUJIFILM Xシリーズのデザインを担当する、同社デザインセンターチーフの今井雅純氏は、まず、“富士フイルムが定義するカメラの本質”と“カメラを土台とした独自のユニークさ”がシリーズ製品デザインの根底に流れる「X-DNA」とも呼べるものであると述べる。
カメラは写真撮影の道具としてその存在を定義づけられるものだが、人が使う道具という要素を加味すると、その本質には人との関係性をも含まれる。今井氏は富士フイルムが定義するカメラの本質には、「普遍的なデザイン」「カメラとしてのたたずまい」「自慢したくなるデザイン」といった外見上の要素はもちろん、「撮影を楽しめるカメラであること」「心地よい操作の感触」といった要素が内包され、それらを具現化することが製品個々のデザインにつながるという。
新製品として登場する「FUJIFILM XE-1」「FUJIFILM XF-1」はもちろん、こうした同社の定義する“カメラの本質”を持ち、さらに製品独自のユニークさをも兼ね備える。
XE-1ではレンズ交換式の第一弾であるPro1の系譜を受け継ぐ製品であることを明らかにするためあえてカメラ正面のラインを同様のものとしたほか、上面のダイヤル類配置、ダイヤルのクリック感、マグネシウムを用いたボディの剛性感などで信頼性や品位といった要素を表現する。
また、シリーズ製品として初めて、登場時からブラックとシルバーという2色のカラーバリエーションを用意するが、配色にも“独自のユニークさ”は込められている。シルバーではアクセサリーとして肩から提げる優越感、金属の冷たさなどを表現し、ブラックではモノとしての本物感、重厚感、道具としての信頼感といった個性が含まれる。
“人との関係性”もX-E1のデザインにおいて重視されている。上面には露出補正とシャッタースピードのダイヤルを備えることから、左手でレンズ絞り、右手で露出/シャッタースピードを操作でき、なおかつ、絞り/露出補正/シャッタースピードの3要素を電源投入前から確認できるようになっている。
ただ、これはX-E1がフルマニュアルを指向するカメラであることを意味するのではなく、シャッターボタンだけで十分な撮影を可能とするオート撮影機能も備えている。それでも今井氏は「慣れるほどに使い手とともに向上(成長)する操作性」をX-E1で目指したという。「あたかも楽器を弾くように、カメラとして愛でる、撮影という行為を楽しめるデザインを目指しました」(今井氏)
XF-1のデザインにおける独自点は、「Xの魅力を広く伝えるカメラ」として定義づけられており、“広く伝える=間口を広げる”ために携行性を重視し、シリーズコンセプトは保ちながら、ポケットに忍ばせることのできるデザインを目指した。直方体を構成するすべての面から曲線を排除してるのは、そうした意味が込められている。
特徴でもある、未使用時には深く沈み込む2段式沈胴レンズには機械式時計を思わせるディテールとし、加えて各金属部品にはサンドブラス、レコード挽き、スピン目とさまざまな金属としての魅力を引き出す加工処理を施し、携行する嗜好(しこう)品としてのニュアンスを強めている。
道具、ツールとしてよりも嗜好(しこう)品としてのニュアンスが強いことは、張り革のバリエーションが3種類用意されていることからも伺える。カメラとしての定番色であるブラックはもちろん、ブラウンとレッドが用意されており、ブラウンについては他の2色と異なるテクスチャが採用されている。張り革についてはバリエーション展開も検討されており、photokina同社ブースに展示されている17種類の中から反響の高かったものを製品化する計画があるそうだ。
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