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» 2013年02月12日 12時22分 公開

シャッターボタンがないカメラ、「PowerShot N」の面白さを探ってみよう (3/5)

[荻窪圭,ITmedia]

何が出るかは撮ってからのお楽しみ「クリエイティブショット」

 ふたつめの面白さはクリエイティブショットモード。

 側面のスイッチをクリエイティブショットに切り替えるだけという主力撮影モードだ。1回のシャッターで5枚の写真をクリエイトしてくれるもの。さらにオリジナルが1枚保存されるので計6枚となる。

 カメラ側が勝手に5枚のパターンを作ってくれるのだが、ランダムじゃなくてちゃんとシーンを判別してそれにあった加工をしてくれるところが面白い。

 まずシャッターを押すと3枚連写する。

 そのまま連写することもあれば、シーンの判断によって露出やAFなどを利用したブラケット連写になることもある。

 この3枚をベースに3種類の加工がかかる。ひとつはクロップ(いわゆるトリミング)。16:9にしたり縦位置にクロップしたり正方形にしたり。ひとつはデジタルフィルタ。ボカしたりモノクロにしたりハイコントラストにしたり。全体としてビンテージ系のエフェクトがメインかな。みっつめは回転。写真を45度単位で回転させる(ことがある)。クロップされた写真はその分画像サイズは小さくなるけど、それはもうそういうものということで。

 これらはシーン認識やAF位置、メインに被写体は何かなどを総合的に加味して取捨選択されるそうで、何が出てくるかはわからないけど、そうそう突拍子もないものはでないという、よい案配だ。

 撮影すると、5枚のクリエイティブショットがそれぞれ表示され、最後にまとめてサムネイルを見せてくれる。

photo シャッターを切ると左上のオリジナルに加え、5枚の写真がこんな感じで生成される

 正方形写真が多めにはいってきたりヴィンテージ調のフィルタが多いなど、スマホで爆発的なヒットとなった「Instagram」を意識したテイストで、きれいな写真よりもSNSなどで「いいね!」をもらえるインパクトのある写真をというコンセプトだ。

 そんな面白いクリエイティブショットの例はあとでまとめてどうぞ。

 まあ、飽きるんじゃないかとか自分で構図を決めてどういう写真にするかイメージを持って撮るからいいんじゃないかとかそもそも「いいね!」をもらうための写真という発想はどうか、というアレはいろいろあるけれども、思いもしなかった構図を作ってくれて面白いこともあれば、エフェクトによって「そうそうこういうイメージにしたかったんだよ」ということもあるし、そこは素直に面白がればいいのだと思う。

 これは面白がるカメラなのだ。どうせやるならここまで徹底的に、というのが素晴らしい

スマホ時代デジカメのスマホ連携

 PowerShot Nはスマホ時代のデジカメらしくWi-Fiは標準搭載。基本的には従来のIXYやPowershotのWi-Fi機能と同様なのだが、注目は「ワンタッチスマホボタン」を備えたこと。

photo 側面にあるスマホアイコンが「ワンタッチスマホボタン」

 最初にワンタッチスマホボタンを押すと、本体へのスマホの登録を行う。そして指示に従ってスマホ側をカメラのWi-Fiに接続し、専用アプリを起動すると、カメラ側がそれを認識して登録される。

photophoto 指示に従ってスマホ側のWi-Fi機能から接続。暗号化キーは最初の1回だけ入力すればOK
photophoto アプリは「Canon Camera Window」。写真はAndroid版だが、iOS版もある。もちろん無料(写真=左)、カメラ本体の写真をスマホ側でコントロールする。スマホ側だけで操作できるのがよい(写真=右)

 あとはスマホ上で写真を閲覧し、拡大表示し、必要なものをスマホ側に転送すればいい。面白いのは、ワンタッチスマホボタンで接続したときは、スマホ側で接続を切ると、カメラ側の電源が切れるという仕組み。

 いったんつないじゃえば、カメラはバッグやポケットにいれちゃってもいい。スマホ側だけで操作できるのだ。Wi-Fiの接続にちょっと待たされるけど(これは今のどのWi-Fi接続デジカメでも同じだ)、それ以外はかなりスムーズに動作してくれた。

photophoto Wi-Fiはスマホ接続の他、ほかのカメラとの接続やパソコンとの接続、Canon IMAGE GATEWAYへのアップロード、FacebookやTwitterへの投稿などけっこう多彩(写真=左)、メディアはmicroSDカード。右に見えているのがminiUSB端子だが、スマホではmicroUSBが事実上の標準端子となっているのでそちらを採用して欲しかった(写真=右)

勝手な撮り方で勝手な写真を撮って遊びたい

 キヤノンのコンデジでははじめてUSB充電にも対応し、本体にはminiUSB端子が付く。miniUSBのケーブルを用意すれば市販のモバイルバッテリーでの充電も可能だ。スマホ時代のデジカメの不可欠機能ですな。ただし、本体の端子がminiUSBなのはいただけない。今やモバイルガジェットの標準端子はmicroUSBなのだ。ちなみに記録メディアはmicroSDカードだ。

 画質については製品版ではないので言及できないが、ざっと触った感じでは、AFの精度や賢さ、発色、高感度時の画質など、さすがキヤノンのデジカメ、という安定感があって第一印象はいい。

 このヘンなスタイルに好き嫌いはあるだろうが、久々に、撮影自体を遊べる斬新なコンデジで、個人的にはすごく気に入ってるし面白がってる。いつもポケットにいれたり首からぶら下げて(両吊りストラップの穴があるしケースもついてくる)持ち歩いて、勝手な撮り方で勝手な写真を撮りまくりたいなと思う。

 惜しむらくは、キヤノンオンラインショップのみでの発売となること。予約は3月中旬から、だそうです。もっと早く売って欲しいものです。

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