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カシオの「EXILIM EX-ZR1600」に見る、スマホ時代のコンデジのあり方撮ったらすぐにスマホに転送(2/3 ページ)

» 2015年03月31日 18時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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撮ったらすぐスマホへ、は実現できたか

 で、そのZR1600は背面に無線ボタンを持っている。

EX-ZR1600 中央に無線ボタンがある

 これを押して最初にペアリングを行うのだ。

EX-ZR1600 無線用の画面。タッチパネルじゃないのが惜しい。これはすでにペアリングが完了してスマホとつながっているときの画面(中央が赤い)。最初は右上にあるペアリングを行う
EX-ZR1600 スマホ側のEXILIM Connectの画面。この段階でペアリングを行う
EX-ZR1600 ペアリング成功の画面
EX-ZR1600 ペアリングが完了するとこちらもカメラアイコンが赤くなってそれと分かる

 Bluetooth自体はスマホとカメラの接続のトリガーに使うだけで、データの転送はWi-Fiで行う。カメラ側のBluetoothは電源オフ時でも生きているため、カメラの電源がオフになっていてもスマホ側からリクエストすればカメラが自動的に起動してくれる。NFCでも同様のことが可能だが、NFCはカメラとスマホを密着させる必要があるのに対し、Bluetoothだと多少離れててもOKなのがいいところ。

EX-ZR1600 スマートフォンからカメラを起動中。ただし、カメラが起動してカメラ内のWi-Fiが起動してスマホとのWi-Fi接続が完了して、という手順がはいるので、ちょっと時間がかかる

 Bluetoothを使った機能で面白いのは写真の自動送信機能。

EX-ZR1600 自動送信をオンにすると送受信可能なときに自動的にスマホに写真を転送してくれる
EX-ZR1600 画面の右下に注目。AUTOは自動送信がオンになっているとき。右端はBluetoothでつながってるとき。中央はWi-Fiでつながっているときこうなる。上向きの矢印は自動送信中であるという印
EX-ZR1600 そのときスマホ側でアプリを起動すると、自動転送中である旨表示される

 これがうまく働けば、スマホをバッグに入れて放っておくだけで、撮る端から写真が転送されていくので(3Mサイズに縮小しての転送を選べばそれほど容量も食わないし)、さてさっき撮った写真を加工してシェアしよう、などと思ったときには、もうスマホに写真が入っているという幸せなことになるのだ。

EX-ZR1600 スマホ側のアルバムアプリ(私物のシャープ「AQUOS SERIE SHL25」の画面)。EXILIM Connectというフォルダに写真が転送される

 実際に使ってみてどうだったかというと、条件によりけりってとこか。

 カメラ側に写真をたくさん貯めちゃうと(連写しまくったりとか)転送が追い付かなかったりする。でもうまくいくと、撮って10数秒後にはもうスマホに写真が転送されてるという楽しいことになる。これは素晴らしい。

 ただ自動転送をオンにしておくとバッテリーの消費は早くなる。もともとバッテリーの持ちがよいカメラだからと油断してると危ない。まあUSB充電が可能なのでモバイルバッテリーを1つ持っていれば大して問題にはならないかと思う。

 自動転送を待ってられないときは手動で転送する。

EX-ZR1600 スマートフォンへ送る→選択して送る、でOK
EX-ZR1600 両者がBluetoothでちゃんとつながっていれば、あっという間に転送は完了する

 もちろんスマートフォン側からカメラの画像を見て必要なものを転送することも可能。

EX-ZR1600

 またカメラの電源が入っていなくても、スマホ側でアプリを起動して「カメラ内の画像を見る」を実行してやれば、自動的にカメラが起動して、Wi-Fiでつながって写真の転送ができる。カメラはバッグの中にしまってあってもOK。

 ここはとても便利なところだ。

 リモート撮影もスマホ側からカメラの電源を入れて撮るって技を使える。

EX-ZR1600 こんな感じでリモート撮影を行う
EX-ZR1600 リモート撮影中。撮影モードの変更やズーミングもできるが全撮影機能を使えるわけではない。特殊なもの(HDRアートとか)は無理

 リモート撮影自体のレスポンスはなかなかよし。

 ZR1600が一番よいのは自動転送機能。デジカメの欠点は、撮った写真をその場で加工したりシェアしたり送ったりするのが面倒なことで、Wi-Fiを搭載してもなんだかんだと転送手続きが必要になる。その点自動転送は、気が付いたらスマホに写真が送られてるわけで、スマホ側で特に専用アプリを起動しなくても、普段使っている写真アプリを開けば、もうさっき撮った写真が入っているからそのままさっといじれる。

 これは面白いことこの上ない。Eye-Fi mobiなどWi-Fi内蔵SDカードを使っても同じようなことはできるんだけれども、リモート撮影なども含めれば、カメラで自動転送までやってくれた方が何かと便利なもの。

 あとは、自動転送が間に合わなかった写真をまとめて転送する機能とか(転送済みの写真かどうかがカメラ側からわからないのは不便)、家にいるときは家庭内の無線LANを介した自動転送もサポートしてくれるとか、そういう細かい使い勝手を詰めていってもらえたらもっとよくなると思う。

撮った写真はスマホアプリ「Scene」で整理

 スマホに転送した写真は、連携するアプリ「Scene」で整理することをカシオはお勧めしている。SceneはRipplexが開発した、スマホで写真を楽しむことを追求した管理アプリ。日付ごとに写真を自動的に整理してくれたり、テーマごとに写真をまとめてアルバムを作ったりといった作業が簡単にできるのが特徴だ。撮った写真にコメントを付けてフォトダイアリーを作ったりもできる。

 作ったアルバムは、Sceneユーザー同士はもちろん、そうでない人とも共有が可能で、参加者全員が投稿したり、コメントしたりもできる。写真を撮ったままで終わらせない便利な無料アプリだ。iOS版もAndroid版もあるので、一度使ってみるといいだろう。

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