オープン化と革新が加速、Hannoverで新境地を開くNotes/DominoLotusphere 2006 Orlando Report(2/2 ページ)

» 2006年01月24日 12時20分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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Hannoverに搭載されたActivity機能のデモ。右のペインに特定プロジェクトに関するさまざまな情報がリストされている

 Activityは「プロジェクト」という言葉で置き換えると分かりやすいかもしれない。普段、多くの人はプロジェクトの管理を電子メールに頼っているのではないだろうか。関連するドキュメントを添付してやり取りしたり、指示したり、問い合わせしたり……。しかし、実際にはインスタントメッセージングによるコラボレーションもある。オンライン/オフラインを問わず、ミーティングも節目節目で行われる。HannoverとDominoの次期メジャーアップグレードでは、Activityを中心に据え、あるプロジェクトに関連する電子メール、カレンダー、ドキュメント、そしてチャットといったさまざまな情報をひも付けてナビゲートし、情報共有をより自然にしてくれるのだ。

 Activityの機能は、全く新しいものではなく、コラボレーションのためのコンポーネントを組み合わせて使うWorkplace Collaborative Services 2.5ですでに用意されている。「Activity Explorer」と呼ばれる機能だ(LotusphereではWorkplace製品群の新バージョンが発表されている)。

 Hannoverには、こうしたActivity-Centric Computingの機能以外にも、IBM Workplace製品群の優れた機能を幾つか取り入れたところがある。HannoverからNotesクライアントはEclipseベースのIBM Workplace Client Technologyが基盤となるため、オープンな仕様に基づいたコンポジットアプリケーションの作成をサポートするほか、サーバ管理型のIBM Workplace Managed Clientのひとつになるのもそうした例だ。

 2002年、かつてLotus部門を率いたアル・ゾラー元GMは「Notesの機能をJ2EEベースのモジュールとして書き換え、コラボレーションを“解放”する」とまで言い、後任のアンブッシュ・ゴヤール元GMも2003年に最初の電子メール製品を投入し、「Next Gen」ストラテジーを掲げた。

 しかし、Java標準への乗り遅れを過剰に恐れた一連のNext Gen構想は、顧客はもちろん、IBM自身も得るものは少なく、昨年のLotusphereでゴヤール氏も「“Notesプラス”“Dominoプラス”であるべきだ」とし、計画を葬り去った。IBM Workplace Client Technologyによってクライアントにもオープンな標準による統合機能が備わる中、熟成が進み、性能も改善されているDominoサーバをわざわざJ2EEコンポーネント化するメリットはなかったのだ。

 Lotus Notes/Dominoのセールスを統括するエド・ブリル部門執行役(Business Unit Executive)は、「われわれは多くのことを学んだ」と振り返る。

 Notesは、いよいよHannoverによって、Dominoの束縛から解放され、Dominoだけでなく企業内のさまざまなサーバやWebサービスのクライアントとして機能する。IBMがオープンスタンダード化を推進する当然の帰結だとブリル氏は話す。

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