内部統制への対応で注目を集める"使える"エンタープライズコンテンツマネジメントコンプライアンス時代のマストアイテム!エンタープライズコンテンツ管理(2/2 ページ)

» 2007年02月27日 08時00分 公開
[ITmedia]
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SharePointを中心とした新しい情報基盤

ITmedia ではECMについて、マイクロソフトはどのようなソリューションを提供しているのですか?

米野氏 「Microsoft Office SharePoint Server 2007」がECMの中核になります。これは、文書ファイルやデータベースの構造化されたデータ、人のナレッジも含め、すべてをコンテンツとして捉えて、企業の中で公開、共有して育てていくサーバです。SharePointは、人と人のつながり、人と情報のつながり、人とビジネスプロセスのつながりのハブになり、ここを通った情報は、価値に変わっていきます。企業が持っているあらゆる情報を使えるものにすることが、このサーバの役割です。SharePoint Server 2007は、ECM を実現するための機能を全て標準搭載した、All-in-oneサーバなのです。もちろん、他のマイクロソフト製品や豊富なパートナー ソリューションを組み合わせることで、マイクロソフトのECMソリューションはいっそう強固なものとなります。

西岡氏  マイクロソフトでは、コンプライアンス対応としてクライアントもトータルにサポートしています。内部統制における文書化3点セットと言われる業務フロー、業務記述書、リスクコントロールマトリックスは、それぞれVisio、Word、Excelで作成し、連携してセットで管理できるようになっていますが、そういったものを作成、利用する際のコラボレーションの場としてSharePointを採用している企業が増えています。また、情報系システムと基幹系システムをうまく連携させながら、コンテンツをしっかり守っていく「情報系ERP」の基盤としてもSharePointは最適です。

ITmedia SharePointを導入した企業の契機になったのは、コンプライアンス対応が多いのでしょうか?

西岡氏  一口に「コンプライアンス対応」と言っても、その形はさまざまです。紙文書を何とか管理してデジタル化したい、ファイルサーバに無秩序に置かれている文書ファイルを何とかしたい、グループウェアが古くなってしまって次のマイグレーションパスがない、そういったペインポイントの解決をきっかけとして、それにどうコンプライアンスに対応させていこうかと検討する企業が多いようです。

単にコンプライアンス対応を目指す企業は、最低限必要なシステムのみを構築しますが、一歩踏み込んでより積極的に情報を活用しようと考えている企業も少なくありません。SharePointによって、管理と生産性を両立させ、社員が働きやすい環境を実現しましょう、というのが、マイクロソフトのメッセージです。

マイクロソフト自身が推進するコラボレーション環境

ITmedia マイクロソフトでは、実際にどのようなECM環境を整えているのですか?

西岡氏 マイクロソフトの社内では、コラボレーション環境を運用しており、チームサイトを構築してドキュメントを共有、管理しています。ワールドワイドでかなりの社員がいますので、例えば米国の担当者を調べるときに検索を使います。検索するとチームサイトが見つかり、頻度が高いものが上から並びます。その中のチームメンバーに連絡すれば、必要な情報を入手できます。会社が大きくなると、誰が何をしているのかわからないものです。

このようなことは、ファイルサーバを一生懸命探しても、なかなか担当者まではわかりません。SharePointでは、「誰がアップロードしているのか、誰がそのサイトを管理しているのか」という情報がわかります。こうした検索性のよさは、業務に非常に役立っていますし、有益な結果が出ていると感じています。

マイクロソフト インフォメーションワーカービジネス本部 IWソリューションマーケティンググループ エグゼクティブプロダクトマネージャ 西岡真樹氏

ITmedia 情報を共有したら終わりということではなく、活用することまでを考えているわけですね。

西岡氏  一人で仕事をするのではなく、チームで仕事をすることが多いので、何かしらプロジェクトを進めていく中間データが必要なことがあります。そういうデータは、能動的に探さないと、絶対に出て来ません。グループで共有し、それを他の人が探せる環境が重用になるのです。

今回のSharePointでは、検索機能に力を入れており、SharePointで共有している情報だけでなく、Exchangeのメールで、基幹システムのデータを検索結果に表示することができます。仕事に必要な情報がすぐに見つかるということは、とても重要です。EMCでは、コンテンツを管理することももちろん重要ですが、検索できるということも非常に重要なテーマだと思います。

ITmedia どの情報を公開するかという選択基準は、マイクロソフトの場合、どう決めているのですか?

米野氏 基本的に、社内に隠すべき情報はあまりありません。当然、機密性の高い一部の業務情報は公開されていませんが、一般的な文書情報や業務データは、各個人のプライバシーに属するような情報以外はそのほとんどが共有されています。社外に向けた情報の取り扱いはルール化されており、個人情報を含んだライブラリの監視や、IRM(Information Rights Management)によるコンテンツのライフサイクル管理により、安全性を確保しています。またこれらのルールは簡単に適用できるようポリシー化されており、ボタン1つでコンテンツ作成者がポリシーを適用したり、ドキュメントライブラリにポリシーを設定しそこに保存されるファイルに自動的にポリシーを適用したりすることが出来るようになっています。

ITmedia 最後に、これからECMを導入しようとしている企業に向けてメッセージをお願いします。

西岡氏  企業の課題に対し、ITによってさまざまな回答を得ることができます。全体の生産性を向上させながら、コンプライアンス対応を意識させる環境を整備し、それを社員に体験させることが大切です。SharePointによる多くの導入事例、パートナーソリューションを参考にして、自社に最適なシステムをぜひ見つけてください。



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