島根県浜田市、ワンストップ窓口サービスを実現全国初の方式で

島根県浜田市は、NECのパッケージソフト「GPRIME庁内電子申請」を用いて、転入届・印鑑登録・健康保険/年金異動届など複数の手続きを住民にワンストップでサービスする総合窓口システムを構築した。

» 2009年03月11日 13時15分 公開
[ITmedia]

住民サービスの質を向上させる

 「GPRIME庁内電子申請」の最大の特長は、NEC独自のシステム構造「遠隔二線式」を用いて、受付(総合窓口)と処理(業務主管課)を完全に分離し、総合窓口で受付登録した各種申請データを自動的に各課(離れた建物内の課も含む)に振り分けることで、各課が並列処理を行える点にある。遠隔二線式の総合窓口向けシステムの導入は、浜田市が全国で初めて。稼働は3月11日から。

 現在、多くの自治体では課ごとに窓口業務を行っており、住民が複数の手続きを行う場合は、その内容に応じて該当窓口を探して各々の窓口を回るため時間を要していた。こうした背景から、主な手続きが1カ所で受け付けられる窓口でのワンストップサービスが求められている。

 浜田市は2005年に1市4町村が合併して以来、住民サービスの強化策として総合窓口化を検討してきた。当初は職員のマンパワーで実現する総合窓口を運営していたが、住民サービスはある程度向上するものの、業務の効率化という点では課題が残っていた。同市では、遠隔二線式構造の「GPRIME庁内電子申請」の導入により、来庁者の各種手続き時の待ち時間を短縮し住民サービスを向上するとともに、年間約2100件の窓口申請手続きにおいて約1140時間の削減効果を見込んでいるという。

 NECは今回の納入実績をもとに、「庁内電子申請システム」について、今後3年間で150団体の自治体への導入を目指す。

 今回の効率化の取り組みは、住民サービスの強化はもとより、職員の各部署への配置の柔軟性にも大きく貢献するはずだ。また、一般にこうしたシステムは物理的に距離が離れている窓口の連携をより迅速かつ正確にするので、手続きに訪れた住民の問い合わせも減少し、効率化は予想以上に進むケースが多い。

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