米Googleは米MicrosoftのWindowsと競合する可能性があるOSを投入する計画を発表した。「Google Chrome OS」が非常に重要である理由は5つある。また、あまり重要でない理由も5つある。
1. とうとう来た! これはOSなのだ。OSを支配するベンダーは、アプリケーション市場も支配する。そして、ソフトウェア開発で金もうけをする手段を提供することによって開発者の心をつかむことができるのだ。
2. Chrome OSは、クラウド上に置かれたWeb 2.0アプリケーションと強力なブラウザを結ぶ重要なブリッジを提供する。GoogleがOSビジネスに参入することで、オンライン、オフライン、クラウドベースのアプリケーション、モバイルアプリケーションをつなぐループが完成する。
3. GoogleのChromeブラウザは非常に優れたブラウザだ。わたしはOperaブラウザの新バージョンとChromeを併用しているが、はっきり言って、これらの新ブラウザは驚くほど安定している。
4. Chrome OSは成功する必要はない。UbuntuやIntelのMobilinなどのオープンソースOSにそこそこ対抗できれば、Chrome OSはMicrosoftにとって心配の種になるだろう。一方、Windows 7は大成功しなければならないという重圧を背負っている。
5. Chrome OSはGoogleの戦略の一部でしかない。まだ開発途上にあるリソース共有システム「Google Wave」の方が、Chrome OSよりも影響力が大きいだろう。しかしライバルのMicrosoftと同様、すべてのパーツをスムーズに連係させることができれば、それだけ強い立場に立つことができる。
1. Googleは検索結果に広告を張り付けることによって収入を得ており、同社はこのモデルへの依存から脱却できることをまだ立証していない。
2. Googleがどういったものを出すにせよ、UbuntuやRed Hatが提供しているOSはずっと先を進んでいる。これらの企業は(MicrosoftやAppleと同様)、開発者を引きつけ、安定したOSを提供する能力を示している。ユーザーにとっては、さらにもう1つのOSがゲームに参加する必要はない。
3. OSビジネスを支配しているのはハードウェアサプライヤーだ。彼らは共同マーケティングの費用負担を求める契約をソフトウェアサプライヤーと結び、その契約に基づいて製品マーケティングを展開している。Googleからハードウェアベンダー(例えばDell)に多額の広告宣伝費が提供されるとは思えない。
4. モバイル/Netbook/デスクトップOSビジネスはGoogleの手に余るだろう。Netbook/モバイルOSビジネスを最終的に支配するのはアジアの大手ベンダーになりそうだ。
5. OSビジネス全体が仮想化しつつある。自分のハードウェア上でどんなOSが動作しているのか、誰も気にしなくなるだろう。
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