コラム
» 2009年09月24日 09時18分 公開

Weekly Memo:「SAP、Oracle、Microsoftはもう古い」―― Salesforce.comベニオフCEOの講演語録 (2/2)

[松岡功,ITmedia]
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ソフトウェア不要論を歯切れよく展開

 「SAP、Oracle、Microsoftはもう古い」

 かねてソフトウェア不要論を説くベニオフCEOは、今回の講演でも「多くの企業がSAP、Oracle、Microsoftのソフトウェアを利用しているが、これら3社のビジネスモデルやテクノロジーは古いままだ。Salesforce.comはそんな3社の市場支配を打破して、企業に新たなイノベーションの機会を提供する」と、ソフトウェア大手3社を名指しで斬り捨てた。

 今やこれだけ歯切れよくライバルに対してモノが言えるのは、ベニオフCEOとOracleのラリー・エリソンCEOくらいしかいない。IT業界は昔からライバル同士の舌戦が「元気の源」だった側面もあるので、ベニオフCEOには引き続き、昨今疲れ気味の業界を大いに刺激してもらいたいものだ。

 「クラウドならば、同じ品質レベルのサービスを全世界同時に提供し利用することができる」

 これはクラウドの特性を考えれば理解できることなのだが、「例えば、サービスの新バージョンを米国で提供した瞬間に、それは日本のユーザーも同時に利用できる。これまでのソフトウェアのように国内版を待つ必要はない。これはITの世界にとって大きなイノベーションだ」(ベニオフCEO)と説明されると、あらためてそのインパクトを感じさせられた。

 「Salesforce.comのグローバルデータセンターを、日本にも設置することを考えている」

 日本での顧客が増加するにつれ、国内へのデータセンター設置は以前から話題に上がっていたが、ベニオフCEOが公の場でこの件に言及したのは初めてだろう。現在、Salesforce.comのグローバルデータセンターは米国に2カ所、シンガポールに1カ所設置されているが、「今後、日本と欧州に追加設置していく予定」(ベニオフCEO)であることを明らかにした。

 これが、自社の大事なデータを海外のデータセンターに預けることに抵抗を覚える企業にとっての緩和剤となるか。グローバルデータセンターを掲げるSalesforce.comにとっては、そんな狙いは小さいかもしれないが、日本には「抵抗を覚える」企業が少なくないので、意外に効果的な気もする。

 ベニオフCEOは、事例紹介も交えながら、およそ1時間半の基調講演を最後までパワフルに演じてみせた。あらためて、もっとも筆者が印象に残った言葉は何か。やはり職業柄か、数回強調していた「SAP、Oracle、Microsoftはもう古い」だった。

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プロフィール

まつおか・いさお ITジャーナリストとしてビジネス誌やメディアサイトなどに執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などを経てフリーに。2003年10月より3年間、『月刊アイティセレクト』(アイティメディア発行)編集長を務める。(有)松岡編集企画 代表。主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。


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