米IBMのスティーブ・ミルズ氏は同社の「Smarter Planet」と呼ぶ取り組みを紹介し、データの分析や洞察で社会問題を解決していくと意気込んだ。
米IBMはネバダ州のラスベガスで「IBM Information On Demand 2009」を現地時間の10月29日まで開催している。10月27日に開かれたゼネラルセッションには、ソフトウェアグループ 上級副社長兼グループエグゼクティブのスティーブ・ミルズ氏が登壇。エネルギーや資源などを供給する社会インフラとITの技術を融合し、社会問題を解決するIBMの取り組み「Smarter Planet」の成果を紹介した。
「環境、エネルギー、水、資源などの価値がどうすれば高まるかを考え、より住みやすい世界を実現したい」。ミルズ氏はこう切り出し、IBMが地球規模の社会問題に対して、ITによる解決を導いていく姿勢を示した。
それを実現するコンセプトが、Smarter Planetだ。これはマイクロプロセッサやRFIDタグなどを通じて社会をネットワーク化し、データの分析、比較、モデリングを通じて情報を可視化していくもの。構造化/非構造化データを問わずあらゆる情報を統合管理することで、「情報に基づく変革」をもたらすことができるとしている。
ミルズ氏は成功事例の1つとして、ニューヨーク市警の取り組みを紹介した。ここでは150のデータベースで合計40テラバイトのデータを分析する仕組みを構築。分析した情報から起こった事件の犯人を割り出したり、データマイニングで犯罪のパターンをモデル化し、犯人を追跡して再犯を防止しているという。同システムは、ビジネスインテリジェンスソフト「Cognos 8 BI」、リレーショナルデータベース管理ソフト「IBM DB2」、アプリケーションサーバ「WebSphere Application Server」ストレージ運用管理ソフト「Tivoli Storage Management」で構成されている。
「種々のデータとの比較やモデリングなどで、集めたデータを人の目に見えるようにする。Smarter Planetでは社会や環境に対してこの“情報による変革”を継続し、環境や資源、エネルギーの価値を高め、世界を変えていく」とミルズ氏は意気込んでいた。
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