VerizonからDROIDが届く前に、わたしはBest Buyで同端末をチェックした(キャリアのショップで順番を待つのは大変だ)。周りを見ると、十代の若者やサッカーママ(訳注:サッカークラブに入った子どもたちをミニバンで送迎するようなアクティブな母親のこと)らしきご婦人方、そしてわたしのようなナレッジワーカーなどさまざまなタイプの人々がDROIDとERISをチェックしていた。
わたしはこの光景を見て、ルビンスタイン氏の主張は、iPhoneや次々と登場するAndroidデバイスに焦燥感を抱く人から出た敵意に満ちた発言であり、真実ではないと思わずにはいられなかった。企業のリーダーがこういった侮辱的発言でライバルを攻撃するのはよくあることで、Microsoftのスティーブ・バルマーCEOがGoogleを、Oracleのラリー・エリソンCEOがIBMを攻撃するやり方と同じだ。Sun Microsystemsのスコット・マクニーリー元CEOも、IBMとMicrosoftを同じように攻撃した。
ルビンスタイン氏は、ライバル企業が何をしているのか心配する時間があるのなら、PreとPixiの売り上げのことを心配すべきだ。いや、それよりも、ライバルがやっていることをまねるよう部下に命じるべきなのかもしれない。MotorolaとHTCの場合は、この作戦が奏功しているようだ。ルビンスタイン氏は次のようにTimesに語っている。
最も優れた製品を提供する企業とは、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを含めたエクスペリエンス全体を統合する企業であり、あちこちから寄せ集めた技術をつなぎ合わせようとする企業ではない。
まるでAppleの元幹部のようなせりふだ。おっと、ルビンスタイン氏は実際、Appleの元幹部だったではないか。Motorolaのハードウェア、そしてGoogleのソフトウェアとサービスを組み合わせたデバイスだとDROIDを批判するのも、iPodを世界に普及させた立役者なら当然のことといえるだろう。そこには、デバイスは1社のメーカーだけで作らねばならず、異なるメーカーのパーツの寄せ集めであってはならないというAppleの考え方がうかがえる。
これはティム・オライリー氏の指摘する“一人勝ち”(One ring to rule them all)につながる考え方だ。
コンシューマーはデバイスの出どころなど気にしてはいない。きちんと動作しさえすればいいのだ。そしてDROIDはきちんと動作する。
こういったことに関連して思い浮かぶのが、うわさの「Google Phone」だ。TechCrunchのマイケル・アーリントン氏によると、このうわさは本当であるばかりでなく、2010年にGoogle Phoneが登場する見込みだという。
この携帯電話の機能設計については交渉も妥協も一切ないだろう――Googleはありとあらゆる部分を指図している。Android OSから逸脱して一部のアプリケーションが使えないといったことはあり得ない。AppleにとってのiPhoneと同様、これは携帯電話とはかくあるべしというGoogleの理想を具現化したものになるだろう。
それが本当なら、携帯端末に対するルビンスタイン氏の考え方に極めて近いといえるだろう。
恐らくルビンスタイン氏は、携帯端末の世界がAppleとGoogleによって徐々に支配されつつあるという事実におびえて悪態をついただけなのだろう。
Appleはこの分野で最も人気の高いスマートフォンを作っている。一方Googleは、モバイル分野のメインストリームに急速に浸透しつつあるソフトウェアとサービスを提供しており、間もなく同社自身のデバイスがこのソフトウェアとサービスをサポートすることになりそうだ。
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