Google TVは数十年にわたって定着してきたCox、ComcastなどのCATV会社の慣行を変えようとしている。Apple TVはユーザーがもっとコンテンツを視聴するためにテレビに接続する「もう1台のデバイス」を目指している。
皮肉なのは、ジョブズ氏が6月に、世界はもう1台のデバイスを求めていないと言っていたことだ。今やAppleがそれを提供している。サイズが4分の1になっただけで。
ガーテンバーグ氏は、一般の消費者に訴求する上ではApple TVの方が有利だとしている。
「入力端子1を追求するのは非常に難しいだろう」と同氏は指摘する。「テレビの1番目の入力端子を狙うのは、冬のロシア戦線を戦うようなものだ。実現しない」
「だがAppleは、2番目の入力端子をうまく押さえられる見込みが大きい。もっと重要なのは、iPhoneで実現したのと同じように、テレビの楽しみ方を変え、進化させることを消費者に教えられるだろうということだ。Apple TVとテレビの関係は、iPhoneと携帯電話のようなものだ。Apple TVは今後の製品とサービスに向けた下地を整える」
もちろん、ガーテンバーグ氏が自身のブログで指摘しているように、AppleにはApple TV向けのアプリストアがない。
「テレビ向けにiPhoneのようなアプリのエコシステムを作るのは理にかなうと思うが、Appleはテレビ市場にパラダイムシフトを説く必要がある。Apple TVは多くの点でリセットであり、テレビは習慣や使い方が定着している。消費者がそのモデルにシフトできるようになるには、Appleがリビングルームで地位を確立する必要がある」
もう1つ、皮肉な事態が迫っている。
Apple TVは2006年の発売時から「Appleの趣味」と言われてきたが、新モデルの形や価格、Netflixサービスの統合は、そのレッテルを取り去る一助となりそうだ。だが、Google TVも同じような立場に立たされるかもしれない。
これまでの報道では、テレビ局側は、非常に野心的なGoogle TVのサポートに消極的だという。Google TVがGoogleファンの間でしかはやらないという可能性もある。Apple TVが今も存続しているのは熱心なファンのおかげだ。
実際、Google TVは次の「初代版」Apple TVになるかもしれない。いずれにしても、今年の年末商戦のリビングルームでのポジションをめぐるGoogleとAppleの戦いは、エキサイティングになりそうだ。
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