iPadやGalaxy Tabなどのメディアタブレットは、NetbookやKindleの市場を侵食しつつ成長し、2011年には5480万台、2014年には2億800万台販売されるとGartnerはみている。
米調査会社Gartnerは10月15日(現地時間)、iPadをはじめとする「メディアタブレット」市場に関する予測を発表した。同種端末の世界における2010年の消費者向け販売台数は2950万台に上ると予想している。
2011年には前年比181%増の5480万台、2014年には2億800万台を超えるという。
同社はメディアタブレットの定義を、タッチスクリーンを備え、iOS、Android、WebOS、MeeGoなどの軽量なOSを搭載する板状の端末としており、例として、米AppleのiPad、韓国SamsungのGalaxy Tab、米Cisco SystemsのCiusを挙げている。
Gartnerは、メディアタブレットの普及が、ほかのジャンルのさまざまな端末に影響を与えるとみている。特に、Netbook(Gartnerはミニノートブックとしている)は、メディアタブレットの平均販売価格(ASP)が向こう2年間のうちに300ドルを切れば、最も大きく市場を侵食されるとしている。
米AmazonのKindleのような電子書籍リーダーやゲーム専用機、音楽プレーヤーなどの単機能端末も、多機能なメディアタブレットに市場を侵食されるという。スマートフォンへの影響はほとんどないが、7インチのメディアタブレットを購入するユーザーは、高機能スマートフォンを低価格なものに買い換える可能性があるとしている。
ビジネスシーンでは、10インチのメディアタブレットは当面、ノートPCを補完するツールとして利用される。ノートPCに置き換わることはなく、スマートフォンに次ぐ「第3の端末」という位置付けになるという。従って、従業員にメディアタブレットを買い与える企業は少ないが、仕事目的で自分で購入する個人は多いとGartnerはみている。
また、現在ユーザー獲得のために通信契約付きでNetbookを低価格または無料で提供している通信業者(CSP)が、Netbookからメディアタブレットにシフトするという。これにより、価格が購買の障害になっているユーザーがメディアタブレットを購入するようになる。携帯ネットワークとWi-Fiを利用できるメディアタブレットの販売台数は、2010年にはメディアタブレット全体の55%に、2014年には80%になるとGartnerは予測する。
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