Google、Nortelの特許を9億ドルで獲得へ――Android訴訟の抑止が目的

AndroidやChromeをめぐる多数の特許訴訟を抱えるGoogleが、そうした訴訟を抑止する目的で6000件に上るNortelの特許獲得に動いた。

» 2011年04月05日 07時51分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleは4月4日(現地時間)、経営再建中のカナダの通信機器メーカーNortel Networksの特許ポートフォリオの競売に入札することでNortelと合意したと発表した。Nortelによると、Googleの入札金額は9億ドルという。豊富な特許を保有することで、自身やパートナーに対する訴訟を抑止するのが狙いだ。

 2009年に破産保護を申請したNortelの現在の特許ポートフォリオには、無線、4Gネットワーク、データネットワーク、視覚、音声、インターネット、サービス提供、半導体などに関連する約6000件の特許および特許出願が含まれる。今回の合意は「Stalking-Horse(当て馬)入札」と呼ばれるもので、今後、より高額あるいは好条件を提示する入札者が参加する可能性がある。Nortelによる売却の完了は6月になる見込み。

 Googleはイノベーションを妨げる特許訴訟を阻止するための特許法の改正を提唱してきたが、こうした訴訟から自らを守る最も有効な手段は、豊富な特許ポートフォリオを保有することだという結論に達したという。Nortelの膨大な特許を獲得すれば、他者によるGoogle提訴を阻止できるだけでなく、AndroidやChromeなどのプロジェクトに関わるパートナーやオープンソースコミュニティーを助けることができるとしている。

 Androidをめぐっては、Googleが米Oracleから米Motorolaが米Microsoftから台湾のHTCが米Appleから、それぞれ特許侵害で提訴されている。

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