日本HPは、分散ファイルシステム上のデータをMicrosoft ExcelやWebブラウザ上で活用できるアプライアンス製品を発売した。
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は4月23日、ビッグデータ分析向けデータウェアハウス(DWH)アプライアンス製品「HP AppSystem for SQL Server 2012 Parallel Data Warehouse」(HP AppSystem for PDW)を発売した。5月に出荷を開始する。
HP AppSystem for PDWは、日本マイクロソフトの大規模DWH製品「SQL Server 2012 Parallel Data Warehouse」(PDW)と日本HPのハードウェアを組み合わせたアプライアンス製品。Hadoopとの連携によって非構造化データと構造化データを一元的に処理できるほか、スケールアウト構成によって最小225テラバイト〜最大6.3ペタバイトまでの大規模データを処理できる(3テラバイトドライブ搭載の場合)。
これらのデータは超高速並列処理(MPP:Massively Parallel Processor)によって分析されるほか、分散ファイルシステム「HDFS(Hadoop Distributed File System)」上のデータをMicrosoft ExcelやWebブラウザ上で活用できる。これにより、ビッグデータ活用のハードルを下げ、分析の専門家ではない業務部門のスタッフでも容易にデータ分析が可能になるという。
ハードウェアは、日本HPの1Uラックマウント型サーバ「HP ProLiant DL360p Gen8」、ストレージ「HP D6000 Storage」、10GbE(Gigabit Ethernet)対応スイッチ「HP 5120 Switch」をそれぞれ採用。ProLiant DL360p Gen8では、OSにエージェントソフトを導入することなくハードウェアを監視できる「エージェントレス管理機能」や、ハードウェアの障害/障害予兆を日本HPのサポートセンターに自動で通報する「自動通報機能」などを備えており、ハードウェア運用作業を簡素化するとしている。
「HPは1990年代からマイクロソフトとフロントライン・パートナーシップを結び、製品の開発レベルで情報交換や技術協力を行ってきた。HP AppSystem for PDWも、ハードとソフトの親和性やシステムの信頼性という面で、両社の協業ならではのメリットを提供できる」と日本HPの橘一徳氏は話す。
価格はハードウェアが最小構成で2325万円から、PDWが2740万4000円(いずれも税別)。
また両社は同日、HP AppSystem for PDWの販売拡大に向けて協業体制を強化すると発表した。日本HPの本社オフィス(東京都江東区)にビッグデータ活用の検証施設「HP AppSystem Lab.」を開設し、両社のエンジニアを常駐させて顧客やパートナー向け情報提供を行っていく。これらの取り組みを通じ、日本HPは今後3年間で50社への提供を目指す。
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