トヨタの中国法人、試作開発車用などの業務管理をExcelからクラウドに

トヨタは、中国の現地法人に部品調達やサプライヤーとの納期調整などを行うシステムを導入し、業務負荷を大幅に軽減した。このシステムはクラウドサービス上で展開されている。

» 2014年09月30日 13時11分 公開
[ITmedia]

 トヨタ自動車の中国現地法人「トヨタ自動車研究開発センター(TMEC)」は、部品調達やサプライヤーとの納期調整などを行うシステムを導入した。このシステムは、日立製作所のSaaS型の日立ビジネスメディアサービス「TWX-21」を活用している。今回の導入について日立が9月30日に発表した。

 TWX-21は1997年にサービスが開始され、24カ国・地域で約400業種・約5万5000社に利用されている国内最大級の企業向け業務システムクラウド。サーバ管理やヘルプデスク業務など煩雑なITの管理・運用が不要なクラウドサービスであり、システムの迅速導入や運用負荷を大幅に軽減できるのが特徴。TMECはこのサービスを利用して、中国向け試作車の部品調達やサプライヤーとの納期調整といった煩雑な調達業務の負荷を大幅に軽減している。

 TMEC向けのサービスは、日立が中国市場向けクラウドサービス事業で提携している北大方正集団が中国国内のデータセンターから提供している。TMECは、TWX-21の中国・アジアにおける多数のサービス提供実績を評価し、採用に至ったという。

システム概要

 TMECでは従来、注文データの作成から発注、納期回答、出荷までの一連の調達業務を、Excelやメール、電話を使って、人手によって進ちょく管理や状況把握をしていた。しかし、年々増加する発注量にともない各工程での作業遅延が課題となっていた。TWX-21の採用でTMECや9カ所の生産拠点、サプライヤー各社、物流会社での発注から価格調整、納期回答、集荷、納品までの一連の調達と物流に関する業務プロセスが共通化、管理され、これらをWebブラウザ環境から簡単に利用できるようになった。

 これによってTMECは全ての拠点から発注内容と進ちょく状況が画面上でリアルタイムに確認・一元管理できるようになり、進ちょくの把握にかかる時間が従来約20分の1に短縮された。今後はサプライヤー約1000社の利用を拡大していく。

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