企業買収などで“サイロ化”状態にあった約150システムをハイブリッドクラウド化し、災害にも強いITインフラと運用改善を実現した。
「カメラのキタムラ」など全国で1311店舗(2014年3月末現在)を展開するキタムラは11月11日、基幹業務システムのクラウド化を実施したと発表した。NTTコミュニケーションズの「Bizホスティング Enterprise Cloud」とホスティング環境を併用したハイブリッド構成で、運用コストを20%削減したとのことだ。
同社によると従来のシステム環境は、企業買収などによる事業拡大を通じて個別に構築された約150システム、600台のサーバが運用され、店舗の増加などによって年を追うごとに複雑なものになっていた。運用コストが肥大化するだけでなく、2011年の東日本大震災に分散しているシステムの稼働状況を把握することが非常に困難となるなどの課題も抱えていたという。
こうしたシステム基盤の課題解決に向けて同社は、2011年5月にクラウド化の検討をスタート。市場の評価や価格面からNTTコミュニケーションズのサービスを採用したという。分散していた重要拠点のシステムはクラウド基盤に集約し、クラウド化の難しいシステムはコロケーションサービスのサーバに移行した。これによってサーバ台数が大幅に減少し、運用コストの20%削減を達成した。
同社CIOの崎川洋邦氏は、「クラウド化によってサーバリソースが統合され、新しいECシステムを低いコストで短期間に構築、運用することができた」と語る。インターネットサービスへの膨大なアクセスが発生してもレスポンス低下を回避できるサーバやネットワークのリソース配分ができるようになった。
今後は写真のプリントサービスなどを提供する「ラボ」のインフラ基盤の強化や店舗作業を効率化する店舗システムの構築、情報セキュリティ対策などに取り組むとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.