東京都と富士通が協力し、商用車の走行データから主要渋滞ポイント433交差点の状況を可視化。交通渋滞を定量的に分析した。より的確で、効果的な交通渋滞対策を行うという。
富士通と富士通交通・道路データサービス(以下、FTRD)は6月30日、東京都青少年・治安対策本部(以下、東京都)から渋滞分析調査業務を受託し、交通渋滞を定量的に分析したと発表した。
分析に活用したのは、FTRDの「FUJITSU インテリジェントデータサービス 商用車プローブデータサービス」。トラックなどの貨物商用車に搭載したデジタルタコグラフ(運行記録計)から1秒間隔で集められるプローブデータを利用する。このデータには移動速度、位置、時刻および、3次元の加速度などが含まれる。
本調査は、2015年12月23日から2016年3月11日までの約3カ月間実施した。東京都全域の主要道路のうち、国道と都道、市の幹線道路の交差点間の平均旅行速度(※)を色分けした図の作成と、渋滞が起こりやすい交差点433カ所における進行方向別通過時間の分析を行った。交差点間の平均速度をつなげて表示することで、長い区間で渋滞が発生しやすい路線と場所を特定しやすくなるという。
これに付随する調査結果として、平日7時から19時までの交差点通過時間別・流入部別の通過商用車数や、時間帯別・流入部別の平均交差点通過時間も集計し、表やグラフで提供している。これにより、主要渋滞箇所別や商用車が向かう方面別の渋滞状況、交差点通過速度の低下がどれだけ交通に影響を及ぼすかが分かる。
東京都は2008年から、渋滞の著しい箇所に集中的な施策を行う「ハイパースムーズ作戦」を実施しており、今回の調査結果を基に、より的確で効果的な交通渋滞対策を行うとしている。今回の調査は、都全域が対象かつ位置データ、移動速度、交差点通過時間、移動方向などのデータも含めた大規模なものだが、3月初旬まで実施した調査の分析結果が、6月末の段階で委託元に提出されたというスピードも注目すべき点だろう。
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