今回は野菜の産地を証明する目的でレーザーを利用したが、分析の切り口が見つかれば、他の食材などにも応用可能とのことだ。「従来は研究所などでしか使われなかった技術を、どのようにサービスに転用できるかを研究している」(NTTテクノクロス フューチャーネットワーク事業部の酒井歩氏)という。
NTTテクノクロスでは産地証明に加えて、味(糖分)や栄養素も測定し、ザファームの通販サイトに情報を表示する。各データはNTTのクラウドサービス上に蓄積し、品質調査サービスとして提供するところまで視野に入れる。センシングデータによる分析ということで、「農業IoTに関連した事業にも応用できる」と酒井氏は話す。
「土壌データや生産管理データも組み合わせれば、提供できるサービスの幅は広がる。昨今は農業IoT関連のサービスを始めるベンチャー企業も多いが、今回のキャンペーンのように、流通まで含めた展開を行っている例はまだまだ少ない。サービスのメリットを消費者の方々にまで届けることが重要だと考えている」(酒井氏)
ネットスーパーの「Oisix(オイシックス)」など、店頭だけではなく、Web上で青果の販売を取り扱う事業者が増えている今、「産地証明が必要になる場面は増えるだろう」と酒井氏。ビッグデータが食の安全を支える日も遠くはないだろう。
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