“barely”は低い程度や可能性を表す副詞ですが、「かろうじて」と訳されるように、「ギリギリ最低限の状態でも成功する」という肯定的な意味で使われる方が多い語です。例えば、“He barely passed the exam.”(彼はかろうじて試験に合格した)とか、“We barely made the last train.”(かろうじて最終列車に間に合った)のように使います。
“I was barely trying.”とは、「最低限しか努力していない」というボスの嫌みだったので、ここでは「朝飯前」と訳しました。「絶対量が少ないこと」を表す似たような言葉に“hardly”がありますが、こちらは、「なんとかできる」という意味の“barely”とは異なり、「ほとんど……ない」と訳される通り、否定的な使い方が多い語です。例えば、“I can barely hear you.”は「かろうじて聞こえる」ですが、“I can hardly hear you.”は「ほとんど聞こえない」となります。