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「専任IT担当なし」の100人組織が挑む稟議DX──年間5000件の紙回付から、特殊フローを崩さずSaaSへ移行できた製品選定の全貌

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ITセレクト編集部
/発注ナビ株式会社

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導入事例:年間5000件超の「紙」稟議フローを早期にデジタル型へ刷新。地方の少人数組織が選んだ製品選定の手段とは?

ITセレクトではビジネスマッチングサービスである発注ナビと連携し、IT製品探しのご相談・ご紹介を無料で行うサービスを提供しています。コンシェルジュ相談フォームからお申し込みいただくと、コンシェルジュ相談サービスを無料でご利用いただけます。
この記事では、実際に発注ナビのコンシェルジュ相談サービスをご利用いただいたかたの体験談をご紹介します。

和歌山県内のJA(農業協同組合)を対象に、信用事業に関する指導やサポートを担当する和歌山県信用農業協同組合連合会。推進企画から事務指導、システム指導まで、JAの信用事業業務全般を支える存在だ。

一方、自組織内では日々膨大な数の稟議が紙ベースで回付される旧来型の業務フローが残っており、職員のリモートワーク導入を前にその対策と改善が急務となっていた。そこで、業務の特殊性に由来する複雑な稟議フローに対応できることを条件に、コスト感や速度感とともに効率化が期待できるSaaS(Software as a Service)型のワークフローシステムの導入を推進した。

「条件をクリアする製品がどこにあるのか分からない」──。そんな状況からスタートした製品選定だったが、発注ナビの活用により効率的に進めることができ、最終的に業務の実態に合う製品の導入に至った。今回は、システム選定を担当した和歌山県信用農業協同組合連合会 経営企画部の平野裕介氏と山本晃大氏にその経緯を詳しく聞いた。

業務効率化のためSaaSを導入したいが、既存の業務フローは変えられない。そのギャップをどう埋めるかに悩んでいる、さらに、内部に詳しい担当者がいない中小規模の企業や組織はぜひ参考にしていただきたい。

サービス利用前の課題

  • 年間約5000件にのぼる膨大な「紙の稟議書」の回付・保管が大きな業務負担になっていた
  • リモートワーク体制の整備に向け、「紙ベース・出勤前提」の稟議フローからの脱却(デジタル化)が急務だった
  • 組織内にシステムの専任担当者がおらず、特殊で複雑な稟議フローを崩さずに再現できる製品を「どう探せばよいのか」から分からない状態だった

利用後の効果

  • 発注ナビへの相談により、専門知識がなくても自組織のニーズを満たす製品・ベンダー候補をピンポイントで厳選できた
  • 考察を厳選した2社に絞ったことで、選定工程をスムーズに進められた
  • 導入検討がスピード感を持って進んだため、本格稼働に向けて、現場の不安解消に取り組む体制も整えられた

100人以下の組織で年間5000件。膨大な量の稟議を紙で回付していたフローをSaaSで刷新

──和歌山県信用農業協同組合連合会様の事業について教えてください。

和歌山県信用農業協同組合連合会の平野裕介氏

和歌山県信用農業協同組合連合会の平野裕介氏

和歌山県信用農業協同組合連合会の平野裕介氏(以下、平野氏) JAが展開するさまざまな事業のうち、信用事業について指導・サポートを行う県域組織です。金融機関ではありますが、個人のお客さまとは直接かかわらず、あくまで「地域のJAに対する指導・サポート」が中心です。例えば、JAに対して「貯金額を伸ばすために、どういったキャンペーンをすれば良いのか」や「事務処理の漏れをなくすための手順を検討する」といったシーンまで、幅広くサポートします。

──今回、ワークフローシステムを導入することになった背景をお聞かせください。

平野氏 ワークフローの主な対象は稟議書です。これまでは紙で回付していたのですが、基本的に全員が1カ所の事務所で勤務していたため、大きな問題はありませんでした。しかし、職員のリモートワーク体制を整備するとなったときに、紙ベースの稟議では対応しきれなくなることが容易に予想されました。また、紙の保管場所についての課題を解消したかったこともあり、SaaSによるデジタル化を検討することになりました。

ただ、私たち金融機関の業務は少し特殊で、あらゆる業務について決裁をとった証跡を残すために、かなり頻繁に稟議を回付しています。経費の発生有無にかかわらず、稟議決裁が通常業務の一部になっています。例えば、JAに対して指導の文書を出す際にも稟議決裁が必要です。80~90人規模の組織で年間4000~5000件の稟議があるので、かなり多い方だと思います。この業務フローに対応できることが必須要件でした。

専任システム担当がいない、探し方すら分からなかった──展示会で偶然出会った発注ナビの利用で「道筋」が見えた

──発注ナビを利用した経緯をお聞かせください。

平野氏 システムの検討にあたってまず展示会に足を運びました。ワークフローシステムをアピールするベンダーの展示はいくつかあったのですが、どちらかというと経費精算がメインで、稟議回付は付随機能というイメージの製品が多く、私たちのニーズには合わないと感じていました。

「展示会に行けば何かが見つかるだろう」という思惑が外れて途方に暮れていたところ、その展示会で声をかけてくれたのが発注ナビでした。「要望に沿って、おすすめの製品やサービスをピックアップして紹介してもらえる」のはありがたいと思い、その後すぐに依頼しました。

和歌山県信用農業協同組合連合会の山本晃大氏(以下、山本氏) 和歌山県信用農業協同組合連合会はそれほど大きな組織ではなく、専任の情報システム担当もいません。頻繁にシステムを導入することもないため、IT製品やサービスの事情にも詳しくありません。どこから何を探せばよいのかも分からない中で、発注ナビの「詳しい人に無料で相談できる」「選定へのレールを敷いてくれる」サービスは有効だと感じました。

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既存業務を犠牲にしない──全社トライアルを実施し、目的の製品を明確に定められた

──発注ナビからは、ニーズに合うと想定された3社を厳選してご紹介しました。選定は容易に進みましたか?

平野氏 紹介いただいたうちの1社は要件が最初から合わず、残った2社の製品を見定めました。稟議ワークフローとして過去の蓄積データも対象にしたかったため、移行のハードルがやや高くなります。また、それぞれ使い勝手や長所や短所も違いましたし、長期的なメンテナンス性なども含めてきちんと比較して選定すべく、2つともトライアル版を提供してもらい、組織全体で比較検証を実施しました。

──製品の選定において、特に重視した要件は何でしたか。

和歌山県信用農業協同組合連合会の山本晃大氏

和歌山県信用農業協同組合連合会の山本晃大氏

山本氏 これまでは1つの事務所に全員がいて、しかも紙での回付でしたから、急ごうと思えば自分で持って行ったり、いない人を飛ばしたりと、臨機応変にできたところがありました。

これがシステムになると、決まったフローに則って回付する体制に一新されます。これは逆に言えば、「融通が利かない」ともなりかねません。「システム化されたから余計やりにくい」といった声があがるのは避けたいと、「できるだけ既存の業務フローに近づけられること」を実現できる柔軟なカスタマイズ性を重視しました。

平野氏 業務フロー以外にも「保管期限などの細かな決まりごとに則した形で対処できるか」の観点を深く確認しました。メンテナンス性やカスタマイズ性などの条件を含めて検討し、1つの製品を定められました。

──かなり細かなカスタマイズが必要になったのではと思いますが、苦労した点はありましたか。

平野氏 これまで当たり前にやっていたことに導入した製品の標準機能では対応できず、私たちの稟議フローはかなり特殊なのだと改めて感じました。

例えば、稟議が自分の部署だけで完結せず、隣の部署にも回付が必要となるケース、さらに隣の部署の部長から課長にも共有するケースなども少なくありません。これは承認というより情報共有を目的とした回付である場合が多いのですが、「システム化されるから回付しません」というのでは主旨に反します。苦労はしましたが、柔軟にカスタマイズできたことでこれらも無事実現できました。

──ニーズに合うシステムを無事選定できたようですね。システムは稼働されたのでしょうか? 現在の状況をお聞かせください。

平野氏 契約が完了し、今(2026年6月)は本格稼働に向けて規定や事務作業のルール整理を進めており、2026年7月からの正式スタートを予定しています。

紙ベースの柔軟性に慣れていたこともあり、職員からは「このケースはどうしたらいいのか」といった質問や、そもそもシステム化への不安の声も聞かれました。実際に活用する現場職員の意見やニーズを最大限に尊重して準備を万全にしつつ、運用を始めれば徐々にメリットを実感できると考えています。

「選択肢を厳選してくれた」ことで、スムーズに選定できた──「悩んだら動いてみる」で開いたDXへの道

──発注ナビの印象はいかがでしたか。

平野氏 最初にこちらの要望を含めて丁寧なヒアリングがあり、それを満たした製品・ベンダーを厳選して紹介していただきました。この紹介も依頼後すぐでしたし、その後も「選定はどうなっていますか? お困りでしたら遠慮なくお聞かせください」のような定期的なアフターフォローの連絡もあり、迷うこと少なく選定計画を進めることができました。

山本氏 平野も私も、経営企画部に所属しており、日常業務と並行しながら今回のワークフローシステムの導入を進めました。組織にITシステムの専門家がいない中で、「ニーズに沿って、厳選した選択肢」を示してもらえたのは本当に良かったです。

 

和歌山県信用農業協同組合連合会の事務所外観

和歌山県信用農業協同組合連合会は今後、職員のリモートワーク導入も積極推進する計画という

──今回推進されたワークフローDX(デジタルトランスフォーメーション)の成果創出に期待しています。今後予定しているDXの取り組みなどがあればお聞かせください。

平野氏 まずは今回のワークフローシステムを本稼働させ、その後リモートワーク体制の導入を進める計画です。そのほか、全職員で活用できないかと検討しているのは生成AIです。取り組みを進める際にツール選定の必要があると思うので、また発注ナビにお願いできればと思います。

今回は展示会での偶然の出会いがきっかけでしたが、やはり机上で調べても、一人で悩んでも、悩みごとは解決しません。あのとき1回足を運んでみてよかったとつくづく感じました。「悩んだらまず動いてみる」のも有効ではないでしょうか。

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