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“美人になる”デジカメを試す

» 2008年08月28日 18時34分 公開
[ITmedia]
photo “EXILIM ZOOM”「EX-Z300」

 カシオが発表した“EXILIM ZOOM”「EX-Z300」「EX-Z250」は、“メイクアップ”機能を搭載したコンパクトデジタルカメラ。新搭載の画像処理エンジン「EXILIMエンジン3.0」 により、メイクアップをしたかのように人物の顔を美しく撮影可能だという。“メイクアップ”の効果がどれほどか、実際に試してみた。

 EXILIMエンジン3.0は画像処理エンジンとしての基本性能を高め、モアレの除去やシャギーの低減を図ったほか、ノイズリダクション回路も見直されている。しかし、最大の特徴は画像処理CPUを新たにパッケージングしたことだ。メイクアップ機能はこの新構成によって実現されている。

 メイクアップ機能は顔検出機能によって検出された顔に対し、ダイナミックレンジ拡張や暗部補正、ソフトフォーカス処理、エッジのアンシャープネスなどの複合的な処理を施し、被写体の顔を「写真館で撮影したような」(同社)明るい写真として撮影する。効果は12段階での調整が可能で、リアルタイムに背面液晶で効果を確認しながら撮影できる。

photophotophoto 撮影しながらリアルタイムに補正量を調整できる

 EX-Z300は本体上部に本機能を呼び出すための専用ボタンを設けているが、各シーンモード(ベストショット)を利用しての撮影に際しても、本機能を複合させることが可能となっている。

 実際に試用してみたところ、機能OFFでは暗く沈んだように撮れてしまった場合でも、機能ONにすると、ライトをきちんとセッティングしたような“雰囲気”で撮影できた。ただ、強く効かせると肌や髪の毛のディテールが失われ、全体的にソフトフォーカスをかけたような、精細感に欠ける仕上がりとなるケースもあった。

photophoto 機能OFF(左)とON(右:最も強く効かせた状態)の違い。背面液晶で確認するだけでもかなりの違いがあることが分かる

 同社の調査によれば、「肌の調子が悪いときでも、肌色がきれいに出る」など本機能に対してはポジティブな反応が多かったという。アンケートの結果、「利用したい」と回答した女性は90%以上だったそうだ。

 ただし、「かなり煩雑な処理」(同社)を行っているため、本機能をONにして撮影すると設定しているファイルサイズにかかわらず、シャッターを押してから画像が保存されるまでに数秒のタイムラグが発生する。撮影時(シャッターボタンを押す前)に効果を確認することは可能だが、撮影後の補正は行えないため、常用すると撮影のテンポは落ちてしまう。この点は少々残念だが、他にはないユニークな機能だけに一度試してみる価値はありそうだ。

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